障害厚生年金3級の状態は、アルバイトでなくてはいけないということですか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は28歳男性で、アスペルガー症候群とうつ病の診断を受けています。
障害年金の相談を医師にしたところ、3級だねと言われました。
3級の状態は「労働が著しい制限を受ける」とありますが、
これは正社員ではダメで、アルバイトでなくてはいけないということですか?
本回答は2018年12月現在のものです。
障害年金3級の状態には、「労働に著しい制限を受けるもの」と記載されていますが、
これは3級の状態の基本を大まかに示したものであり、
正社員ではダメで、アルバイトでなくてはいけないということではありません。
正社員であっても、たびたび欠勤をしている場合や、
他の従業員との意思疎通が困難な場合などは、3級に認定が得られることもありますし、
アルバイトであっても、他の従業員と変わりなく業務を行える場合は、
認定が得られないこともあります。
アスペルガー症候群などの発達障害とうつ病の認定基準は、以下の通りです。
発達障害の認定について
発達障害については、
たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により
対人関係や意思疎通を円滑に行うことが出来ないために
日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定をされます。
発達障害の認定基準
【1級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が欠如している
- 著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
【2級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が乏しい
- 不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
【3級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が不十分
- 社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
また就労している場合は、日常生活能力について以下のように判断されます。
精神障害で就労している場合の日常生活能力の判断について
精神障害で就労している場合、
労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものととらえず、
その療養状況を考慮するとともに、
仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、
他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで
日常生活能力を判断されます。
就労や雇用形態の一時をもって等級が決まるものではありません。
あくまでも障害の状態の審査を受け、等級が認定されます。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
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06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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