まずさかのぼりで障害年金を受給するために必要なことを確認し、次に障害年金と生活保護の関係を整理しましょう。
さかのぼりで障害年金を受給するための請求を、遡及請求といいます。
遡及請求とは
遡及請求とは、障害認定日に障害等級に該当しているが、知らなかったなどの理由で、障害認定日から1年以上経過して請求するものです。
障害認定日から長期間経過していたとしても、障害認定日から3か月以内の診断書を取得することができれば、障害認定日時点で審査を受けることができます。
審査の結果、障害認定日の時点で障害等級に該当すると判断された場合、障害認定日にさかのぼって受給権が得られ、障害認定日の翌月分から現在までの障害年金(最大5年分)をさかのぼって受給することができます。
遡及請求で認定を得ることは容易ではありませんが、認定を得ることができれば生活に大きな助けとなります。
本事案の場合:障害年金の遡及請求について
本事案の場合、「18歳の時から統合失調症」とのことですので、20歳前傷病の障害基礎年金の請求となります。
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20歳前傷病の障害基礎年金とは…
先天性の病気などにより初診日が20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が1級または2級に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
20歳前傷病の障害基礎年金の障害認定日は、以下のいずれか遅い方となります。
- 20歳の誕生日
- 請求する傷病の初診日から起算して1年6か月を経過した日
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では、どのような状態なら統合失調症で障害基礎年金を受給できるか、確認しましょう。
どのような状態なら統合失調症で障害基礎年金を受給できるか
障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。
▼障害基礎年金
1級と2級
障害が重い順に、1級、2級となります。
1級、2級の状態は、以下の通りとなっています。
| 障害年金の等級 |
障害の状態 |
| 2級 |
日常生活に著しい制限があるもの |
| 1級 |
他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの |
本事案の場合、障害認定日時点で上記2級以上に該当すると判断されれば、さかのぼって障害年金を受給することができます。
次に、生活保護と障害年金の関係を整理しましょう。
生活保護と障害年金の関係
生活保護と障害年金の両方の受給権を得られた場合、障害年金は満額支給され、生活保護費の方が調整を受けることとなります。
生活保護と障害年金は以下のような関係になります。
- 最低生活費>障害年金の場合、障害年金は満額、最低生活費は障害年金との差額分が支給されます。
- 最低生活費<障害年金の場合、障害年金は満額、最低生活費は支給されません。
本事案の場合:障害年金と生活保護の関係について
障害年金と生活保護は、双方を満額受けることはできません。
そのため、障害年金と生活保護を受ける期間が重なっているときは、生活保護が調整を受けることになります。
さかのぼって障害年金を受給できた場合も同様です。
障害年金を受け取る権利は、権利が発生してから5年を経過すると時効消滅するため、実際に支給を受けることが出来るのは、時効消滅していない直近の5年分となります。
5年ほど前から生活保護を受けているのであれば、さかのぼりで障害年金を受給できても、そのほとんどが最低生活費の返還に充てられることとなるでしょう。
これらを踏まえて、遡及請求についてご検討されてはいかがでしょうか。
なお、国民年金保険料については、生活保護を受けているため、未納ではなく法定免除となっているでしょう。
障害年金がさかのぼって支給されても、過去の法定免除の期間については法定免除のままとなります。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。