既にカルテが破棄されていました。障害年金の遡及請求はできないのでしょうか?

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既にカルテが破棄されていました。障害年金の遡及請求はできないのでしょうか?

中井智博
中井智博社会保険労務士
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公開日: 最終更新日:

平成29年にうつ病を発症しました。

初診の病院には2年ほど通院したのですが、その後転院しました。

障害年金の遡及請求用の診断書を書いてもらいたかったのですが、カルテが破棄されていて診断書を書けないと言われました。

この場合、遡及請求はできないのでしょうか?

では、遡及請求をするために必要なことを確認しましょう。

遡及請求で障害年金を受給するために必要なこと

障害年金の審査を受けることが受ける時点は、以下2時点しかありません。

  • 障害認定日(原則として初診日から1年6月を経過した日)
  • 現在

遡及請求とは、上記障害認定日時点で審査を受けることを指します。

遡及請求を行い、さかのぼって受給をするためには以下のすべてを満たす必要があります。

  • 初診日が特定できていること
  • 障害認定日から3か月以内に受診があり、医療機関に当時のカルテが残っていること
  • 当該カルテに障害年金用診断書を作成することができる情報が記載されていること
  • 医師が診断書を作成してくださること
  • 審査の結果、障害年金の等級に該当すること

審査の結果、障害認定日の時点で障害等級に該当すると判断された場合、障害認定日にさかのぼって受給権が得られ、障害認定日の翌月分から現在までの障害年金(最大5年分)をさかのぼって受給することができます。

本事案の場合

本事案の場合、障害認定日当時の診療録が既に破棄されているとのことですので、「障害認定日から3か月以内に受診があり、医療機関に当時のカルテが残っていること」を満たすことができません。

そのため、遡及請求を行うことは現実的には難しいでしょう。

なお、障害認定日当時の診断書なしに「他の記録から症状を認定できる」として、遡及請求を認めた判例は存在しますが、飽くまで裁判で争った結果であり、通常の請求で診断書なしに遡及請求が認められる可能性は極めて低いでしょう。

遡及請求ができない場合でも、事後重症請求をすることは可能です。

事後重症請求とは

傷病により障害の状態にあるものが、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなかった場合でも、その後、状態が悪化し、障害等級に該当する障害の状態となった場合、65歳に達する日の前日までに裁定請求をすることができます。

これを事後重症請求といいます。

事後重症請求で障害年金の認定を得ることができた場合、請求日の属する月の翌月分から受給することができます。

事後重症請求を前向きにご検討されてはいかがでしょうか。

障害年金を受給するために

障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。

そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。

ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。

一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。

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