労働時間が延びたとしても、そのことにより直ちに障害年金が支給停止となるとは限りません。
障害年金は、障害の状態によって受給の可否を決定されます。
労働時間が延びたとしても、障害の状態が従前の等級に該当すると判断されれば、受給を継続することができます。
まず、現在受給中のうつ病の障害厚生年金3級の状態を確認し、次に精神障害で就労している場合の審査についてみていきましょう。
うつ病の障害厚生年金3級の状態
うつ病の障害厚生年金3級の状態は、以下の通りとされています。
- 気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働が制限を受けるもの
では、精神障害で就労をしている場合の取扱いについて確認しましょう。
精神障害で就労をしている場合の取扱い
就労支援施設や小規模作業所などに参加する方に限らず、雇用契約により一般就労をしている方であっても、援助や配慮のもとで労働に従事しています。
したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している方については、
- 療養状況…通院の状況や在宅での療養の状況等
- 仕事の種類、内容…その仕事を一般の人と同じ条件でこなせているか、病気のために特別な配慮や制限が必要な状態か
- 就労状況…出勤状況への影響はないか
- 仕事場で受けている援助の内容…職場が病気に合わせて、どれだけ手加減やサポートをしてくれているか
- 他の従業員との意思疎通の状況…臨機応変な対応や意思疎通に困難な状況が見られないか
等を十分確認したうえで日常生活能力を判断されます。
援助の状況や就労の日常生活能力への影響も考慮されます。
援助や配慮が常態化した環境下では安定した就労ができている場合でも、その援助や配慮がない場合に予想される状態を考慮されます。
就労の影響により就労以外の場面での日常生活能力が著しく低下していることが客観的に確認できる場合は、就労の場面及び就労以外の場面の両方の状況を考慮されます。
本事案の場合
労働時間が延びたとしても、仕事の内容や職場で受ける援助の内容、就労による日常生活への影響等から、障害の状態が「労働に制限を受けるもの」と判断された場合、障害厚生年金3級の受給を継続することができます。
なお、支給停止となったとしても、再度状態が悪化した場合、支給停止事由消滅届の提出によって、支給の再開を求めることができます。
上記ご参考のうえ、労働時間を延ばすかご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。