精神疾患にて「労災」が認定。障害年金は受け取れるのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
3年前に就業時における精神疾患にて「労災」が認定されました。
障害手帳2級の交付も受けました。
現在は働けない状態ですが、障害年金は受け取れるのでしょうか?
本回答は2017年8月時点のものです。
障害年金は、支給要件を満たすことができれば、受給は可能です。
「初診日要件」とは
障害の原因となった病気やケガを医者か歯科医師に診てもらった日は、
国民年金と厚生年金のどちらに加入していたか、
その加入していた制度によって、もらえる年金の種類が決まります。
「保険料納付要件」とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日の属する月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと
※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。
「障害認定日要件」とは
障害認定日において、一定以上の障害状態にあるかどうかで判断されます。
※障害認定日とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
障害年金の各等級に該当する障害の状態の基本は以下の通りです。
障害の状態の基本について
【1級】日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 他人の介助を受けなければ、ほとんど自分の用を弁ずることができない程度のもの
- 身の回りのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできない又は行ってはいけないもの
- 病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
- 家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるもの
【2級】日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
- 必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働による収入を得ることができない程度のもの
- 家庭内の極めて温和な活動(朝食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの
- 病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるもの
- 家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるもの
【3級】
- 労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
うつ病の認定基準を一部例示すると、以下の通りです。
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
「労災」が認定されているとのことですが、
労災給付と障害年金の関係については、以下の通りです。
労災給付と障害年金の併給調整について
労働者災害補償法に基づく給付と障害年金の両方を受けることができることとなった場合、
併給調整されることとなります。
公的保険の保険給付は原則として「同一事由につき一保障」とされています。
労災保険の休業(補償)給付、傷病(補償)年金、障害(補償)年金、
遺族(補償)年金を受けることができる場合、
国民年金法、厚生年金法に基づく障害年金は満額支給され、
労災保険に基づく給付が、一定の調整率を乗じた額を減額支給されます。
ご質問内容からは、日常生活状況や具体的な病名が分かりかねますので、
受給の可否については判断いたしかねますが、
現在は働けない状態とのことですので、
障害等級に該当している可能性も考えられます。
障害年金の申請を検討されてはいかがでしょうか。
なお、手帳と障害年金の関係は、以下の通りです。
精神保健福祉手帳と障害年金について
精神保健福祉手帳と障害年金は、
根拠法も審査機関も認定基準も異なる全く別の制度であり、
両者の等級は連動するものではありませんので、
精神保健福祉手帳の等級がそのまま障害年金の等級となるわけではありません。
障害年金の申請について
障害の状態によって等級が決まりますが、
提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり
というケースが数多くあります。
そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
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06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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