まず、身体障害者手帳と障害年金の関係を確認をし、次に両制度の基準の比較から、障害年金の認定を得られる可能性を検討しましょう。
身体障害者手帳と障害年金の関係について
身体障害者手帳と障害年金は、根拠法、認定基準、審査機関の異なる全く別の制度です。
両等級は対応しておりません。
しかしながら、両制度の認定基準を比較し、障害年金の等級に該当する可能性を検討することはできます。
以下で両認定基準を比較してみましょう。
心疾患による身体障害者手帳1級の認定基準
- 心臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
- ペースメーカを植え込み、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの、先天性疾患によりペースメーカを植え込んだもの又は人工弁移植、弁置換を行ったもの
- 体内植え込み型除細動器(以下「除細動器」という。)を植え込み、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの又は先天性疾患により除細動器を植え込んだもの
- 心臓移植後、抗免疫療法を必要とする期間中であるもの
本事案の場合
本事案の場合、「彼女は先天性の心臓疾患を持っていて」とのことですので、20歳前傷病の障害基礎年金の請求となるでしょう。
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20歳前傷病の障害基礎年金とは…
先天性の病気などにより初診日が20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が1級または2級に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
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では、どのような状態なら心疾患で障害基礎年金を受給できるか、確認しましょう。
どのような状態なら心疾患で障害基礎年金を受給できるか
障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。
▼障害基礎年金
1級と2級
障害が重い順に、1級、2級となります。
1級、2級の状態は、以下の通りとなっています。
| 障害年金の等級 |
障害の状態 |
| 2級 |
日常生活に著しい制限があるもの |
| 1級 |
他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの |
ペースメーカーを装着した場合の障害年金
ペースメーカーを装着したものは、原則として障害年金3級に相当します。
ただし、ペースメーカーを装着してもなお検査成績が思わしくなく、日常生活能力に著しい制限を受けるものは、2級以上に認定される可能性が考えられます。
除細動器(ICD)を装着した場合の障害年金
ICDを装着したものは、原則として障害年金3級に相当します。
ただし、ICDを装着してもなお検査成績が思わしくなく、日常生活能力に著しい制限を受けるものは、2級以上に認定される可能性が考えられます。
人工弁を装着した場合の障害年金
人工弁を装着したものは、原則として障害年金3級に相当します。
ただし、人工弁を装着後6ヶ月以上経過しているが、なおも検査成績が思わしくなく、日常生活能力に著しい制限を受けるものは、2級以上に認定される可能性が考えられます。
心臓移植や人工心臓を装着した場合の障害年金
心臓移植や人工心臓等を装着した場合は、1級と認定されます。
ただし、術後は1級に認定されますが、1~2年程度経過観察したうえで症状が安定しているときは、臨床症状、検査成績、一般状態区分表を勘案し、障害等級を再認定されます。
本事案の場合
本事案の場合、先天性の心疾患により身体障害者手帳1級の交付を受けているとのことですが、上記の通り、ペースメーカー、ICDの装着、人工弁の置換により身体障害者手帳1級の交付を受けている場合は、原則として障害年金3級となります。
障害年金3級相当の場合、障害基礎年金の認定を得ることはできません。
もし、検査成績も思わしくなく、日常生活に著しい制限を受ける程度にあたるようであれば、障害年金の請求をご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。