中咽頭癌と診断され、放射治療と抗癌剤投与をうけました。障害厚生年金は可能性がありますか。

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中咽頭癌と診断され、放射治療と抗癌剤投与をうけました。障害厚生年金は可能性がありますか。

中井智博
中井智博社会保険労務士
  • 詳しいプロフィール
公開日:

私は10代の頃から扁桃腺炎もちで、

数か月に一度近所の耳鼻科で薬を処方してもらう程度でした。

その後就職し、結婚もしましたが、

2年ほど前から状態が悪くなり、大きな病院で診てもらったところ、

中咽頭癌と診断され、去年放射治療と抗癌剤投与をうけました。

現在は唾液が全く出ず、また副作用の口内炎などで、食事に大変苦労しています。

毎回パンを牛乳で流し込んでいます。

その他体力も落ち、生活の質は著しく低下しました。

現在は傷病手当金をもらっていますが、仕事復帰のめどはたっていません。

この様な状態で障害厚生年金を申請し受けられる可能性はあるでしょうか。

受給ができるとしたら金額はどのくらいでしょうか。

本回答は2017年5月時点のものです。

 

まず、障害厚生年金が受けられるかどうかということですが、

受けられる年金の種類は、以下のように決まります。

 

障害厚生年金か障害基礎年金か

障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、

初診日に加入していた年金制度によって決まります。

  • 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
  • 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
  • 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金

 

ご質問者様の場合、10代の頃から扁桃腺炎もちで、

耳鼻科に通っていたとのことですので、

中咽頭癌と相当因果関係があるのであれば、10代の時が初診となり、

障害基礎年金の申請となります。

 

障害基礎年金で受給権を得るためには、2級以上に該当する必要があります。

障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について

  • 障害基礎年金…1級および2級
  • 障害厚生年金…1級、2級、3級および障害手当金

 

悪性新生物の認定基準は以下の通りです。

悪性新生物の認定基準

【1級】

  • 著しい衰弱又は障害のため、身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

【2級】

  • 衰弱又は障害のため、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
  • 衰弱又は障害のため、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの

【3級】

  • 著しい全身倦怠のため、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
  • 著しい全身倦怠のため、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの。 例えば、軽い家事、事務など

 

悪性新生物の障害認定に当たっては、組織所見とその悪性度、

一般検査及び特殊検査、画像診断等の検査成績、転移の有無、

病状の経過と治療効果等を参考とし、

認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定するとされています。

 

また、そしゃく・嚥下機能の障害について各等級に該当する障害の状態は以下の通りです。

そしゃく・嚥下機能障害の認定基準

【2級】そしゃくの機能を欠くもの。具体的には次の通りです。

  • 流動食以外は摂取できないもの
  • 経口的に食物を摂取することができないもの
  • 経口的に食物を摂取することが極めて困難なもの(食餌が口からこぼれ出るため常に手、器物等でそれを防がなければならないもの、または、一日の大半を食事に費やさなければならない程度のもの)

【3級】そしゃく・嚥下の機能に相当程度の障害を残すもの。具体的には次の通りです。

  • 経口摂取のみでは十分な栄養摂取ができないためにゾンデ栄養の併用が必要なもの
  • 全粥又は軟菜以外は摂取できない程度のもの
  • そしゃく・嚥下の機能に障害を残すもの、つまり、ある程度の常食は摂取できるが、そしゃく・嚥下が十分できないため、食事が制限される程度のものであり、かつ症状が固定していないもの

そしゃく・嚥下の機能の障害の程度は、

摂取できる食物の内容、摂取方法によって上記のように区分されますが、

関与する器官、臓器の形態・機能、栄養状態等も十分考慮して、

総合的に認定するとされています。

 

ご質問内容から、生活の質が著しく低下し、

仕事復帰のめども立っていないとのことですので、

上記認定基準の2級以上に相当すると考えられるのであれば、

受給できる可能性も考えられます。

 

なお、障害年金の受給額は平成29年現在、以下の通りとなっています。

障害年金の受給額(平成29年)

  • 障害基礎年金1級…年974,100円
  • 障害基礎年金2級…年779,300円

※障害基礎年金の受給権者に加算対象となる子がいる場合、子の加算を受けることができます。

 

また、障害厚生年金と傷病手当金を受給している期間が重なっている場合は、

傷病手当金について減額調整されますが、

障害基礎年金の場合はそのような調整はされません。

 

もし扁桃腺炎と中咽頭癌の間に相当因果関係がないと判断され、

初診日が障害厚生年金の被保険者期間中にある場合、

障害厚生年金の申請をすることができます。

 

この場合、障害厚生年金と傷病手当金を受給している期間が重なっている場合は、

傷病手当金について減額調整されます。

 

障害厚生年金の受給額は以下の通りとなっています。

障害厚生年金の受給額(平成29年)

障害厚生年金の受給額は平成29年現在、以下の通りとなっています。

  • 障害厚生年金1級…年974,100円+報酬比例の年金額×1.25
  • 障害厚生年金2級…年779,300円+報酬比例の年金額
  • 障害厚生年金3級…報酬比例の年金額(最低保証額584,500円)

※障害基礎年金の受給権者に加算対象となる子がいる場合、子の加算を受けることができます。

※障害厚生年金1級、2級の受給権者に加算対象となる配偶者がいる場合、配偶者の加給年金を受けることができます。

 

障害年金の申請について

障害の状態によって等級が決まりますが、

提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり

というケースが数多くあります。

そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。

審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、

1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。

慎重にご準備ください。

申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。

 

社労士への依頼も合わせてご検討ください

よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。

私は元厚生労働省の事務官ですので、

役所の論理・理屈を理解しており、これまで90%以上の確率で認定を得ています。

もし社労士への依頼を検討される場合は、こういった点も合わせてお考えください。

疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。

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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。

煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。

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