両側特発性大腿骨頭壊死症です。障害認定日は人工関節を入れた日ではないのですか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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両側特発性大腿骨頭壊死症です。
12年前から潰瘍性大腸炎でステロイド剤を服用しています。
2年ほど前から股関節や腰に痛みが出始め、両側特発性大腿骨骨頭壊死症との診断を受け、
2年前に右足、今年左足に順次人工関節を入れました。
そこで、障害年金の遡及請求をしたのですが、
人工関節と潰瘍性大腸炎に因果関係があるということで書類を差し戻されました。
初診日が12年前になって遡及請求は受理できないと言われましたが、
初診日が変わっても、障害認定日は人工関節を入れた日ではないのですか?
遡及請求はできないのでしょうか?
本回答は2018年8月現在のものです。
大腿骨骨頭壊死症となった原因がステロイド投与である場合、
ステロイド投与を行った潰瘍性大腸炎と、
両側特発性大腿骨骨頭壊死症の間に相当因果関係があるとして、
初診日は、ステロイド投与を行った傷病の初診日となることが考えられます。
遡及請求をするためには、障害認定日から3か月以内の診断書が必要となります。
人工関節をそう入した場合の障害認定日とは
人工関節をそう入した場合の障害認定日は、例外として、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 人工骨頭または人工関節をそう入置換した日
のいずれか早い日となります。
初診日が12年前になると、
障害認定日はその日から1年6か月を経過した日となります。
人工関節を入れた日が障害認定日になるものではありません。
障害認定日から3か月以内の診断書を提出し、
障害の状態が障害等級に該当すると判断された場合は、
障害年金を受給することができますが、
下肢の障害について受診をしていない、もしくは障害の状態が等級に該当しない場合は、
遡及請求で認定を得ることは難しくなります。
両下肢の障害の認定基準は、以下の通りです。
両下肢の障害の認定基準
- 1級…両下肢の3大関節中それぞれ2関節以上の関節が全く用を廃したもの
- 2級…両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの、例えば、両下肢の3大関節中それぞれ1関節の他動可動域が、「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
- 3級…両下肢に機能障害を残すもの、例えば、両下肢の3大関節中それぞれ一関節の筋力が半減しているもの
なお、初診日が特定でき、保険料納付要件を満たしている場合は、
事後重症請求は可能となります。
人工関節をそう入置換したものは、原則として3級と認定されます。
また、両下肢それぞれに行った場合、2級に認定される場合があります。
両下肢に人工骨頭または人工関節をそう入置換した場合
両下肢の3大関節のうち1関節にそれぞれ人工骨頭または人工関節の
そう入置換手術を行った場合の障害認定については、
以下の要件のすべてを満たした場合には、2級以上に認定することとされています。
- 立ち上がる、歩く、片足で立つ、階段を登る、階段を下りるなどの日常生活動作が、実用性に乏しいほど制限されていること。例えば、日常生活動作の多くが一人で全くできないか、または必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、非常に困難であること。
- 下肢障害の主な原因および程度評価の根拠が、自覚症状としての疼痛のみによるものではなく、医学的、客観的にその障害を生ずるに妥当なものであること。
- 下肢の障害の状態が、行動量、気候、季節などの外的要因により一時的に大きく変動するものではなく、永続性を有すること。
事後重症請求を検討されてはいかがでしょうか。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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