特発性間質性肺炎で障害年金は受けられるのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は特発性間質性肺炎のため、在宅、外出は酸素療法を行っています。
自営業をしていますが、現場の仕事ができず、休業状態です。
生活保護はもらえず、収入がありません。
特発性間質性肺炎で障害年金は受けられるのでしょうか?
本回答は2018年9月現在のものです。
特発性間質性肺炎も、障害年金の支給対象となっています。
間質性肺炎などの呼吸不全の場合は、以下の基準に従い審査が行われます。
呼吸器疾患の認定基準
【A表 動脈血ガス分析値】
区分
検査項目
単位
軽度異常
中等度異常
高度異常
1
動脈血O2分圧
Torr
70~61
60~56
55以下
2
動脈血CO2分圧
Torr
46~50
51~59
60以上
(注)病状判定に際しては、動脈血 O2分圧値を重視する。
【B表 予測肺活量1秒率】
検査項目
単位
軽度異常
中等度異常
高度異常
予測肺活量1秒率
%
40~31
30~21
20以下
【1級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が高度異常を示すもの
- 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が中等度異常を示すもの
- 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
【3級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が軽度異常を示すもの
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
なお、呼吸不全の障害の程度の判定は、A表の動脈血ガス分析値を優先するが、
その他の検査成績等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、
総合的に認定するとされています。
在宅酸素療法を施行中のものについて
原則として、以下のいずれも満たしているものは、3級と認定されます。
- 常時(24時間)の在宅酸素療法を施行中
- 軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度
なお、臨床症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、
さらに上位等級に認定するとされています。
ご質問内容に、自営業をしているとありますが、
特発性間質性肺炎の初診日が国民年金加入期間中であれば、障害基礎年金の申請となり、
2級以上に該当すると判断された場合、支給されます。
また厚生年金加入期間中であれば、障害厚生年金の申請となり、
3級以上に該当すると判断された場合、支給されます。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
※初診日とは…障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級、3級および障害手当金
ご質問内容からは、詳細が分かりかねますので、等級に該当するか判断いたしかねますが、
上記の認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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