まず、身体障害者手帳と障害年金の関係を確認し、次に両制度の基準の比較から、障害年金の認定を得られる可能性を検討しましょう。
身体障害者手帳と障害年金の関係について
身体障害者手帳と障害年金は、根拠法、認定基準、審査機関の異なる全く別の制度です。
両等級は対応しておりません。
しかしながら、両制度の認定基準を比較し、障害年金の等級に該当する可能性を検討することはできます。
以下で両認定基準を比較してみましょう。
心臓機能障がいによる身体障害者手帳の3級と1級の認定基準について
- 3級…心臓機能障がいにより、家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの
- 1級…心臓機能障がいにより、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
※心臓機能障がいの場合、2級には該当しません。
では、どのような状態なら心疾患で障害年金を受給できるか、確認しましょう。
どのような状態なら心疾患で障害年金を受給できるか
障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。
▼障害基礎年金
1級と2級
▼障害厚生年金
1級、2級、3級
障害が重い順に、1級、2級、3級となります。
1級、2級、3級の状態は、以下の通りとなっています。
| 障害年金の等級 |
障害の状態 |
3級 ※障害厚生年金のみ |
労働に著しい制限があるもの |
| 2級 |
日常生活に著しい制限があるもの |
| 1級 |
他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの |
では、以下で心疾患で身体障害者手帳と障害年金の認定基準の大きく異なる点を整理しましょう。
心疾患で身体障害者手帳と障害年金の認定基準の大きく異なる点
以下のものは身体障害者手帳1級と認定されます。
- ペースメーカーを植え込みしたもので、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
- 先天性疾患によりペースメーカーを植え込みしたもの
- 人工弁移植、弁置換を行ったもの
- 植え込み型除細動器(ICD)を植え込みしたもので、自己 の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
- 先天性疾患により植え込み型除細動器(ICD)を植え込みしたもの
- 心臓移植後、抗免疫療法を必要とする期間中であるもの
一方、障害年金については、以下のように認定されます。
【3級】
- 人工弁を装着したもの
- ペースメーカー、ICDを装着したもの
- 胸部大動脈解離(Stanford 分類A型・B型)や胸部大動脈瘤により、人工血管を挿入し、かつ、就労に著しい制限があるもの
【2級】
- 人工弁を装着術後、6 ヶ月以上経過しているが、なお異常をあらわす臨床所見、異常検査所見があり、日常生活能力にも著しい制限を受けるもの
- CRT(心臓再同期医療機器)、CRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器)を装着したもの
【1級】
本事案の場合
上記の通り、身体障害者手帳と障害年金の等級は連動しておりません。
そのため、身体障害者手帳が1級または2級になったとしても、障害基礎年金を受給できない場合もあります。
特に本事案の場合「心臓の手術をして」とのことですので、障害年金は手術をしても3級というケースもあります。
本事案の場合、どのような手術をご検討しているのか分かりかねますので、障害基礎年金に該当するか否かの判断はいたしかねますが、上記ご参考のうえ、障害年金の請求をご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。