脳内出血の後遺症で、左足の神経麻痺と言語障害。障害年金は受給できますか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は38歳の時に高速道路で脳内出血を起こす交通事故を起こしてしまい、後遺症で、左足の神経麻痺と言語障害が残りました。
会社の人員整理に伴って退職となり、現在求職中ですが、言葉がはっきりせず、電話での会話はできません。
なので、事務職の仕事も満足にできません。
足の状態も階段は手すりをつかまないと難しいので、力仕事もできません。
この状態は、障害年金を受給するに値しますか?
まず、肢体の障害と言語障害の認定基準を確認し、次に複数の障害がある場合の障害年金の取扱いを確認し、本事案の場合について検討していきましょう。
では、脳内出血により左足の神経麻痺と言語障害が残ったとのことですので、まず、一下肢の障害の認定基準を確認しましょう。
一下肢の機能障害の認定基準
障害の等級
障害の状態
2級
一下肢の用を全く廃したもの
たとえば、一下肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節の他動可動域が、健側の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
3級
※障害厚生年金のみ
- 一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
- 一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの…たとえば、一下肢の3大関節中1関節が不良肢位で強直しているもの
障害手当金
※障害厚生年金のみ
- 一下肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残すもの
- 一下肢に機能障害を残すもの…たとえば、一下肢の3大関節中1関節の筋力が半減しているもの
肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定されます。
次に、言語障害の認定基準を確認しましょう。
失語症の障害の程度の認定について
障害年金の対象となる失語症とは、大脳の言語野の後天性脳損傷(脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷や脳炎など)により、一旦獲得された言語機能に障害が生じた状態のものをいいます。
失語症の障害の程度は、以下により判断されます。
- 単語の呼称
- 短文の発話
- 長文の発話
- 単語の理解
- 短文の理解
- 長文の理解
音声又は言語機能の障害による認定基準は以下の通りです。
音声又は言語機能の障害の認定基準
障害の等級
障害の状態
2級
音声又は言語機能に著しい障害を有するもの。具体的には次のいずれかに該当する程度のものをいいます。
- 音声又は言語を喪失するか、又は音声若しくは言語機能障害のため意思を伝達するために身ぶりや書字等の補助動作を必要とするもの
- 4種の語音のうち3種以上が発音不能又は極めて不明瞭なため、日常会話が誰が聞いても理解できないもの
3級
※障害厚生年金のみ
言語の機能に相当程度の障害を残すもの。具体的には、4種の語音のうち、2種が発音不能又は極めて不明瞭なため日常会話が家族は理解できるが、他人は理解できない程度のものをいう。
4種の語音とは、次のものをいう。
- 口唇音(ま行音、ぱ行音、ば行音等)
- 歯音、歯茎音(さ行、た行、ら行等)
- 歯茎硬口蓋音(しゃ、ちゃ、じゃ等)
- 軟口蓋音(か行音、が行音等)
では、複数の障害がある場合の障害年金の取扱いを確認しましょう。
併合認定について
2つ以上の異なる病気やケガによる障害がある場合に、それらを合算してより重い等級として認定される場合があります。
これを障害年金の「併合認定」といいます。
3級以下の2つの傷病を併合して2級となる場合
3級以下の2つの傷病を併合して2級となるのは、少なくともどちらか一方が以下の場合です。
【3級5号】
- 両眼の視力がそれぞれ0.06以下のもの
- 一眼の視力が0.02以下に減じ、かつ、他眼の視力が0.1以下に減じたもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が50デシベル以上80デシベル未満で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの
【3級6号】
- 両眼の視力が0.1以下に減じたもの
- そしゃく又は言語の機能に相当程度の障害を残すもの
- 脊柱の機能に著しい障害を残すもの
- 一上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
- 一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
- 両上肢のおや指を基部から欠き、有効長が0のもの
- 一上肢の5指又はおや指及びひとさし指を併せ一上肢の4指を近位指節間関節、親指は指節間関節以上で欠くもの
- 一上肢のすべての指の用を廃したもの
- 一上肢のおや指及びひとさし指を基部から欠き、有効長が0のもの
3級と2級を併合して1級となる場合
3級と2級を併合して1級となるのは、3級が以下の場合だけです。
【3級5号】
- 両眼の視力がそれぞれ0.06以下のもの
- 一眼の視力が0.02以下に減じ、かつ、他眼の視力が0.1以下に減じたもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が50デシベル以上80デシベル未満で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの
本事案の場合
下肢障害、言語障害ともに2級に該当すれば、併合により1級となります。
下肢障害が「一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの」による3級、言語障害も3級の場合は、併合により2級となります。
しかしながら、いずれか一方が3級、他方が2級では、併合により1級とはなりません。
本事案の場合、検査成績や日常生活状況等が分かりかねますので、等級の判断はいたしかねますが、障害年金の認定を得られる可能性は考えられるでしょう。
障害年金の請求を前向きにご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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