脊髄小脳変性症という病気は障害年金がもらえるのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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母(58歳)が脊髄小脳変性症で、まもなく初診日から1年半たちます。
身体障害者手帳では、2級をもっています。
それと左股関節に人工股関節が、入っています。
国民年金で請求なのですが、
脊髄小脳変性症という病気は障害年金がもらえるのでしょうか?
脊髄小脳変性症で請求してもらえなかった人はいるのでしょうか?
本回答は2018年5月現在のものです。
脊髄小脳変性症は、障害年金の支給対象となっています。
脊髄小脳変性症により、
起立や歩行など、体幹機能に影響が出ているものであれば、
以下の認定基準により判断されることが考えられます。
体幹の機能の障害の認定基準
【1級】
- 体幹の機能に座っていることができない程度の障害を有するもの。具体的には、腰かけ、正座、あぐら、横座りのいずれもができないもの
- 体幹の機能に立ち上がることができない程度の障害を有するもの。具体的には、臥位又は座位から自力のみで立ち上がれず、他人、柱、杖、その他の器物の介護または補助によりはじめて立ち上がることができる程度のもの
【2級】
- 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの。具体的には、室内においては、杖、松葉杖、その他の補助用具を必要とせず、起立移動が可能であるが、野外ではこれらの補助用具の助けを借りる必要がある程度のもの
一方、身体障害者手帳の体幹の障害2級の程度は、
- 体幹の機能障害により坐位又は起立位を保つことができないもの
- 体幹の機能障害により立ち上がることが困難なもの
となっています。
両者を照らし合わせると、障害年金1級もしくは2級に相当する可能性が考えられます。
しかし、障害の状態が上記の認定基準に該当せず、
左股関節の人工股関節のみであれば、原則として3級が認定されます。
3級は厚生年金にしかない等級のため、
障害基礎年金の申請では認定を得ることが難しくなります。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級および3級
このように、脊髄小脳変性症であっても、
障害の状態が障害等級に該当しないと判断された場合、
障害年金が支給されないケースもあります。
ご質問内容からは、お母さまの状態の詳細が分かりかねますが、
上記の認定基準を参考にしていただき、
申請を検討されてはいかがでしょうか。
障害年金の申請について
障害の状態によって等級が決まりますが、
提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり
というケースが数多くあります。
そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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