胸郭出口症候群。障害年金受給は可能か?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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こんにちは。
2年前に交通事故に遭いました。
もうすぐ症状固定予定です。
胸郭出口症候群と診断され、神経の癒着をオペではがしました。
しかし、術後の経過が良くなく、神経が再癒着しており、再手術はできません。
このような場合、障害年金受給は無理でしょうか?
神経の癒着とは一生の付き合いになりそうだと医師から言われています。
詳しい症状としては、片腕上腕から親指までの痺れ、親指の感覚異常、肘の痛み、肩の張れ、凝りがあります。
また、手術後アロディニアになり、アロディニアになった部分に異常感覚があり、
下着をつけていることが痛くて出来ないような状態です。
本回答は2016年10月時点のものです。
胸郭出口症候群も障害年金の認定の対象になっています。
一上肢の機能の障害の各等級に該当する障害の状態は以下の通りとなっています。
一上肢の機能障害の認定基準
【2級】
- 一上肢の機能に著しい障害を有するもの。
具体的には、一上肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が、
- 不良肢位で強直しているもの
- 関節の他動可動域が、健側の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
- 筋力が著減または消失しているもの
【3級】
- 一上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの。
「用を廃したもの」とは、関節の他動可動域が健側の他動可動域の2分の1以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すものをいう。
- 一上肢の機能に相当程度の障害を残すもの。
例えば、一上肢の3大関節中1関節が不良肢位で強直しているもの
アロディニアの認定について
疼痛は、原則として認定の対象とはなりませんが、
四肢その他の神経の損傷によって生じる灼熱痛、
脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛、
根性疼痛、悪性新生物に随伴する疼痛等の場合は、
疼痛発作の頻度、強さ、持続時間、疼痛の原因となる他覚所見等により、
次のように取り扱われます。
- 軽易な労働以外の労働に支障がある程度のものは、3級と認定する。
- 一般的な労働能力は残存しているが、疼痛により時には労働に従事することができなくなり、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるものは、障害手当金に該当するものと認定する。
ご質問内容からは、胸郭出口症候群による障害の状態の詳細が分かりかねますので、
受給の判断まではしかねますが、
胸郭出口症候群、アロディニアともに受給の可能性は考えられますので、
申請をご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金の申請について
障害の状態によって等級が決まりますが、
提出書類によって、2級相当なのに3級となったり不支給となったりというケースが
数多くあります。
そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
また、障害の種類や県によっては支給率が44%(2012年)しかありません。
申請のチャンスは審査請求、再審査請求と3回ありますが、
1度目に失敗すると再審査請求で支給が決定するのは14.7%です。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
上記で申し上げましたように、
障害や県によっては支給率が44%(2012年)となっており、
障害者団体などからは「年金を出し渋っているのではないか」
との指摘が出ているほどです。
より確実に支給を勝ち取るには社労士に申請を代行依頼する方法があります。
私は元厚生労働省の事務官ですので、
役所の論理・理屈を理解しており、これまで90%以上の確率で受給を勝ち取っています。
もし社労士への依頼を検討される場合は、こういった点も合わせてお考えください。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
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平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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