特別児童扶養手当は20歳までしかありませんが、それ以降の福祉サービスはどうなるのでしょうか?

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特別児童扶養手当は20歳までしかありませんが、それ以降の福祉サービスはどうなるのでしょうか?

中井智博
中井智博社会保険労務士
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公開日: 最終更新日:

息子が知的障害で療育手帳Aを持っています。

特別児童扶養手当は20歳までしかありませんが、それ以降の福祉サービスはどうなるのでしょうか?

特別児童扶養手当は20歳まで受給となります。

ご子息は知的障害であるとのことですので、20歳以降は障害年金を申請しましょう。

20歳が到来すれば障害年金を請求できます。

知的障害の場合、20歳に到達したら障害年金を請求することができます。

幼少の頃から療育手帳の交付を受けていたとしても、20歳の到来を待たなければなりません。

本事案の場合

療育手帳Aをお持ちで、特別児童扶養手当を受けているとのことですので、幼少のころから知的障害と診断されているものと拝察いたします。

そのため、20歳の誕生日が来たら障害年金を請求することができます。

医師に診断書を書いていただく時期に注意が必要です。

20歳の時点で請求し、審査を受ける場合は、「20歳の誕生日の前後3カ月以内」の診断書が必要となります。

20歳を過ぎてから知的障害であることがわかり、20歳を過ぎてから障害年金を請求する場合は、請求日から3カ月以内の診断書が必要となります。

どのような状態なら障害年金を受給できるか、みていきましょう。

どのような状態なら障害年金を受給できるか

障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。

▼障害基礎年金
1級と2級

障害が重い順に、1級、2級となります。

1級、2級の状態は、以下の通りとなっています。

障害年金の等級 障害の状態
2級 日常生活に著しい制限があるもの
1級 他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの

障害年金の受給額は以下の通りです。

知的障害の場合は、生まれた日を初診日とみなされます。初診日が20歳前で年金加入義務がない場合は、障害基礎年金の対象となります。

障害等級

障害基礎年金

1級

年993,750円

2級

年795,000円

引用元:日本年金機構:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額

障害年金だけで悠々自適ではありませんが、受給できれば、日常生活に大きな助けとなるでしょう。

知的障害で審査されること

障害年金においては先の等級に該当するかどうかを、「具体的な日常生活状況等の生活上の困難」を中心に審査されます。

具体的にどのような項目を審査されるのか、以下で確認しましょう。

「日常生活の状況」は以下の7項目について評価されます。

(1)適切な食事
配膳などの準備も含めて適当量をバランスよく摂ることがほぼできるなど。

(2)身辺の清潔保持
洗面、洗髪、入浴などの身体の衛生保持や着替えなどができる。また、自室の清掃や片付けができるなど

(3)金銭管理と買い物
金銭を独力で適切に管理し、やりくりがほぼできる。また、一人で買い物が可能であり、計画的な買い物がほぼできるなど。

(4)通院と服薬
規則的に通院や服薬を行い、病状などを主治医に伝えることができるなど。

(5)他人との意思伝達及び対人関係
他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動が行えるなど。

(6)身辺の安全保持及び危機対応
事故などの危険から身を守る能力がある、通常と異なる事態となったときに他人に援助を求めるなどを含めて、適正に対応できるなど。

(7)社会性
銀行での金銭の出し入れや公共施設などの利用が一人で可能。また、社会生活に必要な手続きが行えるなど。

また、上記7項目を含めて「日常生活能力の程度」を以下のいずれかで評価されます。

1. 精神障害(病的体験・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが、社会生活は普通にできる。

2. 精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には、援助が必要である。
(たとえば、日常的な家事をこなすことはできるが、状況や手順が変化したりすると困難を生じることがある。社会行動や自発的な行動が適切に出来ないこともある。金銭管理はおおむねできる場合など。)

3.精神障害を認め、家庭内での単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。
(たとえば、習慣化した外出はできるが、家事をこなすために助言や指導を必要とする。社会的な対人交流は乏しく、自発的な行動に困難がある。金銭管理が困難な場合など。)

4.精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。
(たとえば、著しく適正を欠く行動が見受けられる。自発的な発言が少ない、あっても発言内容が不適切であったり不明瞭であったりする。金銭管理ができない場合など。)

5.精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。
(たとえば、家庭内生活においても、食事や身のまわりのことを自発的にすることができない。また、在宅の場合に通院等の外出には、付き添いが必要な場合など。)

年金機構は、日常生活能力等の判定に関して「身体機能及び精神機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するように努めること」と定めています。

少しわかりづらいので言い換えます。

「日常生活の状況」の評価項目は社会的な適応性と密接な関係があり、適切な食事や身辺の清潔を保つことができなければ、社会生活を送ることが困難になります。

つまり、社会的な適応性の程度を評価し、適切な等級を決定しましょうということです。

障害等級の目安について

さきほど挙げた「日常生活」の評価項目の7項目について軽い方から1~4にポイント化し、平均を算出し、「日常生活能力の程度」の5段階と合わせて、以下の表に照らし、おおまかな等級の目安が示されます。

障害等級の目安

※障害基礎年金の請求の場合、表内の「3級」は「2級非該当=不支給」と読み換えます。

少し分かりづらいので具体例を出してみます。

▼「日常生活の状況」(適切な食事や身辺の清潔保持等の7項目)

7項目の平均点が「3」

▼「日常生活能力の程度」
「4」に相当(精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である)

この場合、以下の表のように「2級」に該当する可能性があるということになります。

障害等級の目安の例

受給できる可能性があるか否か、お気軽にご相談ください。

ガイドラインはあくまで「目安」

ガイドラインで障害等級の目安は示されていますが、あくまで「目安」であり、この目安のみで等級が決まるものではありません。

以下の要素も加味して総合的に評価されます。

  • 現在の病状または状態像
  • 療養状況
  • 生活環境
  • 就労状況
  • その他

考慮する項目

考慮する要素

具体的な内容例

現在の病状または状態像

・知能指数を考慮されます。ただし、知能指数のみに着眼することなく、日常生活の様々な場面における援助の必要度を考慮されます。

・不適応行動を伴う場合に、診断書の「ア 現在の病状又は状態像」の知能障害等または発達障害関連症状と合致する具体的記載があれば、それを考慮されます。

-

療養状況

・通院の状況…頻度、治療内容、服薬状況など

・著しい不適応行動を伴う場合や精神疾患が併存している場合は、その療養状況も考慮されます。

-

生活環境

・家族等の日常生活上の援助や福祉サービスの有無を考慮されます。

・入所施設やグループホーム、日常生活上の援助を行える家族との同居など、支援が常態化した環境下では日常生活が安定している場合でも、単身で生活するとしたときに必要となる支援の状況を考慮さます。

・独居の場合、その理由や独居になった時期を考慮されます。

・在宅での援助の状況を考慮されます。

・施設入所の有無、入所時の状況を考慮されます。

・独居であっても日常的に家族等の援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合(現に家族等の援助や福祉サービスを受けていなくても、その必要がある状態の場合も含む)は、それらの支援の状況(または必要)を踏まえて、2級の可能性を検討されます。

・在宅で、家族や重度訪問介護等から常時個別の援助を受けている場合は、1級または2級の可能性を検討されます。

・入所施設において、常時個別の援助が必要な場合は、1級の可能性を検討されます。

就労状況

・労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを十分確認したうえで日常生活能力を判断されます。

・援助や配慮が常態化した環境下では安定した就労ができている場合でも、その援助や配慮がない場合に予想される状態を考慮されます。

・相当程度の援助を受けて就労している場合は、それを考慮されます。

・就労の影響により就労以外の場面での日常生活能力が著しく低下していることが客観的に確認できる場合は、就労の場面及び就労以外の場面の両方の状況を考慮されます。

・一般企業(障害者雇用制度による就労を除く)での就労の場合は、月収の状況だけでなく、就労の実態を総合的にみて判断されます。

・仕事の内容が専ら単純かつ反復的な

業務であれば、それを考慮されます。

・仕事場での意思疎通の状況を考慮されます。

・就労系障害福祉サービス(就労継続支援A型、就労継続支援B型)及び障害者雇用制度による就労については、1級または2級の可能性を検討されます。就労移行支援についても同様。

・障害者雇用制度を利用しない一般企業や自営・家業等で就労している場合でも、就労系障害福祉サービスや障害者雇用制度における支援と同程度の援助を受けて就労している場合は、2級の可能性を検討されます。

・一般企業で就労している場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも、仕事の内容が保護的な環境下での専ら単純かつ反復的な業務であれば、2級の可能性を検討されます。

・一般企業で就労している場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも、他の従業員との意思疎通が困難で、かつ不適切な行動がみられることなどにより、常時の管理・指導が必要な場合は、2級の可能性を検討されます。

その他

・「日常生活能力の程度」と「日常生活のる良くの判定」に齟齬があれば、それを考慮されます。

・「日常生活能力の判定」の平均が低い場合で買っても、各障害の特性に応じて特定の項目に著しい偏りがあり、日常生活に大きな支障が生じていると考えられる場合は、その状況を考慮されます。

・発育・養育歴、教育歴などについて、考慮されます。

・療育手帳の有無や区分を考慮されます。

・中高年になってから判明し請求する知的障害については、幼少期の状況を考慮されます。

・特別支援教育、またはそれに相当する支援の教育歴がある場合は、2級の可能性を検討されます。

・療育手帳の判定区分が中度以上(知能指数がおおむね50以下)の場合は、1級または2級の可能性を検討されます。それより軽度の判定区分である場合は、不適応行動等により日常生活に著しい制限が認められる場合は、2級の可能性を検討されます。

・療育手帳がない場合、幼少期から知的障害があることが、養護学校や特殊学級の在籍状況、通知表などから客観的に確認できる場合は、2級の可能性を検討されます。

総合的に評価された結果、目安よりも低い等級となるケースも、高い等級となるケースもあります。

障害年金の審査では様々な要素を加味して判断されます。

障害年金の審査は、すべて書類で行われ、面接等はありません。

書類で伝わらないことは「ないもの」として扱われますので、しっかりと書類で伝える必要があります。

もし、ご不安な方は以下からお問い合わせください。

それでは手続きの流れを確認しましょう。

障害年金の請求手続きの流れ

「障害年金を請求しよう!」と思ってから請求までの大まかな流れは以下の通りとなります。

  1. 医師に診断書を書いていただく
  2. 病歴・就労状況等申立書を作成する
  3. その他の必要な書類を添付する
  4. 年金請求書とともに揃えた書類を提出する

障害年金の審査について詳しくみていきましょう。

障害年金の審査について

障害年金の審査に、面接はありません。

すべて書類で審査されます。

そのため、書類だけで「日常生活にどのような制限を受けているのか」「働いているならどんな風に働いているのか」を審査機関に分かるように作成しなければなりません。

本当は障害年金を受給できる状態なのに、書類が不十分だからといって不支給になるのは残念なことです。

障害の状態の審査には、主に「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」が使用されます。

診断書について

障害年金を請求するための診断書は、治療のための医学的な診断書ではなく、生活に必要な所得保障のための社会医学的な診断書です。

そのため、病気やけがなどによって日常生活にどれくらい影響を及ぼしているかがわかるように作成いただくことが大切です。

自分一人でお医者様に伝えることが難しい場合は、お医者様に伝えるべきポイントを整理するようサポート致しますのでお問い合わせください。

病歴・就労状況等申立書について

病歴・就労状況等申立書 病歴・就労状況等申立書2

これは、「発病から現在までの病状・治療の流れ」「日常生活の様子」を記述し、あなたの症状や生活状況が、障害年金の基準を満たすことを申し立てるものです。

適切な「病歴・就労状況等申立書」を作るために必要なことは以下の2点です。

  1. 自分自身の状況を客観的に把握すること
  2. 把握した内容を、審査機関に伝わるようにわかりやすく記述すること

ただでさえ障害を抱えて大変な状況なのに、時間と精神的・体力的な負担がかかる作業になるおそれがあります。

私にご相談いただければ、代筆いたします。

障害年金を受給するために

障害年金の申請は、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。

ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。

「事務手数料の2万円を支払うのが惜しくて、とりあえず自分でやってみたけど不支給だった。なんとかしてください」というご相談をいただくケースがあります。

当然その時点からできる限りのサポートをさせていただくのですが、事後重症請求の方の場合、1か月請求が遅くなれば、障害基礎年金2級なら毎月約6万5千円ずつ捨てていくことになります。

最初にかかる2万円の事務手数料を惜しんだばかりに、障害年金の受け取りが数か月遅くなっては本末転倒です。

一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。

お気軽にお問合せください。

障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。

煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。

どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。

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