知的障害の人は年齢に関係なく障害年金がもらえると記載されていましたが、本当ですか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私の弟は45歳で軽度知的障害とわかり、うつ病も併発しているので障害者手帳2級を所持しています。
インターネットで調べると、知的障害の人は年齢に関係なく障害年金がもらえると記載されていましたが、本当ですか?
弟は現在、障害者雇用で働いていますが、それでももらえますか?
本回答は2021年1月現在のものです。
知的障害の人は年齢に関係なく障害年金がもらえる、ということはありません。
20歳までは申請することができませんし、原則として65歳の誕生日までに申請しなければなりません。
また、程度が軽く、認定基準に当てはまらない場合はもらえません。
知的障害の認定基準
- 1級…食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
- 2級…食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの
精神障害で就労している場合の日常生活能力の判断について
精神障害で就労している場合、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものととらえず、その療養状況を考慮するとともに、
- 仕事の種類
- 仕事の内容
- 就労状況
- 仕事場で受けている援助の内容
- 他の従業員との意思疎通の状況
等を十分確認したうえで日常生活能力を判断されます。
働いている場合でも、認定基準に当てはまる程度と判断された場合は、障害年金が受給できます。
なお、障害年金を申請するにあたっては、原則として「初診日(初めて病院を受診した日)」やその時点の「保険料納付要件」を確認する必要がありますが、知的障害の方は、例外的に初診日は出生日となり、保険料納付要件を確認する必要がなくなります。
そのため、初診日が20歳以降で、保険料が未納であっても、診断書が取得できれば申請は可能となります。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
保険料納付要件とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
※ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。
障害年金の申請について
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このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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