特発性血小板減少性紫斑病で症状に波がありますが、障害年金はもらえるでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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特発性血小板減少性紫斑病を患って8年ほどになります。
症状に波があって、いい時はひと月に1回の受診でいいのですが、悪い時は2週間毎の受診になるので会社を休まなければなりません。
同僚にも迷惑をかけることがあり、パートに変わろうかと考えています。
ただそうすると給料が減ってしまうので、障害年金の申請を考えています。
私の場合、障害年金はもらえるでしょうか?
ご質問内容からは、検査数値等がわかりかねますが、状態によっては3級に相当する可能性が考えられます。
血液・造血器疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚症状、検査成績、一般状態、治療および症状の経過等(薬物療法による症状の消長の他、薬物療法に伴う合併症等)、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定されます。
血小板減少性紫斑病等の血栓・止血疾患の認定基準は以下の通りですが、一般状態が、軽労働や座業はできるものであれば、3級に相当する可能性が考えられます。
血栓・止血疾患の認定基準
障害の程度
障害の状態
1級
A表1欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、B表1欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級
A表2欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、B表2欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの
3級
A表3欄に掲げるうち、いずれか1つ以上に所見があり、B表3欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
A表
区分
臨床所見
1
- 高度の出血傾向、血栓傾向又は関節症状のあるもの
- 補充療法をひんぱんに行っているもの
2
- 中度の出血傾向、血栓傾向又は関節症状のあるもの
- 補充療法を時々行っているもの
3
- 軽度の出血傾向又、血栓傾向は関節症状のあるもの
- 凝補充療法を必要に応じて行っているもの
※補充療法は、凝固因子製剤(代替医薬品やインヒビター治療薬の投与を含む)の輸注、血小板の輸血、新鮮凍結血漿の投与などを対象にする。
B表
区分
検査所見
1
- APTT又はPTが基準値の3倍以上のもの
- 血小板数が2万/μl未満のもの
- 凝固因子活性が1%未満のもの
2
- APTT又はPTが基準値の2倍以上3倍未満のもの
- 血小板数が2万/μl以上の5万/μl未満のもの
- 凝固因子活性が1%以上5%未満のもの
3
- APTT又はPTが基準値の1.5倍以上2倍未満のもの
- 血小板数が5万/μl以上10万/μl未満のもの
- 凝固因子活性が5%以上40%未満のもの
一般状態区分表
区分
一般状態
ア
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
イ
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの。 例えば、軽い家事、事務など
ウ
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
エ
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
オ
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
※凝固因子活性は、凝固第(2、5、7、8、9、10、11、13)因子とフォンヴィレブランド因子のうち、最も数値の近い一因子を対象にする。
※血栓疾患、凝固因子欠乏症でインヒビターが出現している状態及び凝固第1因子(フィブリノゲン)が欠乏している状態の場合は、B表(検査所見)によらず、A表(臨床所見)、治療及び病状の経過、具体的な日常生活状況等を十分考慮し、総合的に認定する。
3級は厚生年金にしかない等級です。
障害厚生年金の申請であれば認定を得ることができますが、障害基礎年金の申請の場合は、認定を得ることはできません。
ご質問者様の場合、特発性血小板減少性紫斑病を患って8年ほどになるとのことですので、8年前に初めて病院を受診した日が初診日になります。
初診日の時点で厚生年金に加入し、保険料納付要件を満たしている場合は、障害厚生年金の申請が可能となります。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
保険料納付要件とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
※ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、初診日(初めて病院を受診した日)に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級および3級
※症状の重さによって等級が分けられています。
※3級が最も症状が軽く、2級、1級になるにつれて症状が重く、また受給額も多くなります。
このように、状態によっては障害年金が受給できる可能性が考えられます。
上記の要件や認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
(本回答は2021年9月現在のものです。)
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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