双極性障害のため障害基礎年金2級を受給中。潰瘍性大腸炎で申請すると等級が上がりますか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
私は30代の専業主婦です。
双極性障害のため障害基礎年金2級を受給しています。
先日、潰瘍性大腸炎と診断されました。
これは難病に指定されているようですが、
潰瘍性大腸炎で申請すると等級が上がる、もしくは受給額が上がりますか?
本回答は2019年6月現在のものです。
ご質問者様の場合、現在双極性障害で障害基礎年金2級を受給しているとのことですので、
潰瘍性大腸炎で2級以上に該当すると判断された場合、併合で1級になることが考えられます。
潰瘍性大腸炎などの難病の場合、以下の認定基準により審査されます。
難病の認定について
いわゆる難病については、その発病の時期が不定、不詳であり、かつ、
発病は緩徐であり、ほとんどの疾患は、臨床症状が複雑多岐にわたっているため、
その認定に当たっては、
客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分考慮して総合的に認定されます。
障害の状態の基本について
【1級】日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 他人の介助を受けなければ、ほとんど自分の用を弁ずることができない程度のもの
- 身の回りのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできない又は行ってはいけないもの
- 病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
- 家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるもの
【2級】日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
- 必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働による収入を得ることができない程度のもの
- 家庭内の極めて温和な活動(朝食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの
- 病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるもの
- 家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるもの
【3級】
- 労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
併合認定を受けるためには、潰瘍性大腸炎で初めから申請をする必要があります。
初診日を特定し、保険料納付要件を確認し、障害認定日が到来すれば申請が可能です。
初診日とは
初診日とは、障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
「保険料納付要件」とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日の属する月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと
※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。
障害認定日とは
障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
ご質問内容からは詳細が分かりかねますが、
潰瘍性大腸炎を発症したときが専業主婦の時であれば、障害基礎年金の申請になるため、
3級相当では認定は得られません。受給額も変わりません。
2級以上に該当すると判断された場合に併合で1級が認定され、受給額が上がります。
障害年金の年金額(平成31年4月分から)
- 障害基礎年金1級…年975,100円
- 障害基礎年金2級…年780,100円
※障害基礎年金の受給権者に加算対象となる子がいる場合、子の加算を受けることができます
潰瘍性大腸炎で上記の要件を満たしているかについては判断致しかねますが、
上記の認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
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どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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