退職をして傷病手当金も終了すれば、拡張型心筋症で障害厚生年金がもらえるのでしょうか?

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退職をして傷病手当金も終了すれば、拡張型心筋症で障害厚生年金がもらえるのでしょうか?

中井智博
中井智博社会保険労務士
  • 詳しいプロフィール
公開日: 最終更新日:

私はちょうど1年前に拡張型心筋症を発症しました。

現在休職中で傷病手当金を受給していますが、息切れや動悸などもあり、復職の目途は立っていません。

年齢もまもなく60歳ですので、退職を検討しています。

退職をして傷病手当金も終了すれば、障害厚生年金がもらえるのでしょうか?

障害年金は、障害の状態を審査され、等級に該当すると判断されれば認定を得ることができます。

退職をして傷病手当金も終了したとしても、障害年金を受給できるとは限りません。

では、どのような状態なら拡張型心筋症で障害年金を受給できるか、確認しましょう。

どのような状態なら拡張型心筋症で障害年金を受給できるか

障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。

▼障害基礎年金
1級と2級

▼障害厚生年金
1級、2級、3級

障害が重い順に、1級、2級、3級となります。

心疾患の障害の程度の認定について

心疾患による障害の程度は、

  • 呼吸困難、心悸亢進、尿量減少、夜間多尿、チアノーゼ、浮腫等の臨床症状
  • X線、心電図等の検査成績
  • 一般状態、治療および病状の経過

等により、総合的に認定されます。

心筋疾患の認定基準

心疾患の検査での異常検査所見は以下の通りです。

区分

異常検査所見

A

安静時の心電図において、0.2mV以上のSTの低下もしくは 0.5mV以上の深い陰性T波(aVR誘導を除く。)の所見のあるもの

B

負荷心電図(6Mets 未満相当)等で明らかな心筋虚血所見があるもの

C

胸部X線上で心胸郭係数 60%以上又は明らかな肺静脈性うっ血所見や間質性肺水腫のあるもの

D

心エコー図で中等度以上の左室肥大と心拡大、弁膜症、収縮能の低下、拡張能の制限、先天性異常のあるもの

E

心電図で、重症な頻脈性又は徐脈性不整脈所見のあるもの

F

左室駆出率(EF)40%以下のもの

G

BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が 200pg/ml 相当を超えるもの

H

重症冠動脈狭窄病変で左主幹部に 50%以上の狭窄、あるいは、3 本の主要冠動脈に 75%以上の狭窄を認めるもの

I

心電図で陳旧性心筋梗塞所見があり、かつ、今日まで狭心症状を有するもの

【1級】

以下2点を満たすもの

  • 病状(障害)が重篤で安静時においても、心不全の症状(NYHA心機能分類クラス4)を有する
  • 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

【2級】

以下3点を満たすもの

  • 上記異常検査所見のFがある
  • 病状をあらわす臨床所見が5つ以上
  • 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの

以下3点を満たすもの

  • 上記異常所見のA,B,C,D,E,Gのうち2つ以上の所見がある。
  • 心不全の病状をあらわす臨床所見が5つ以上ある。
  • 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの

【3級】

以下3点を満たすもの

  • EF値が50%以下を示す
  • 病状をあらわす臨床所見が2 つ以上ある
  • 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの

以下3点を満たすもの

  • 上記異常所見のA,B,C,D,E,Gのうち1つ以上の所見がある
  • 心不全の病状をあらわす臨床所見が1つ以上ある。
  • 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの

本事案の場合

上記等級に該当すると判断されれば、退職をしなくても障害年金を受給することができます。

ただし、「ちょうど1年前に拡張型心筋症を発症しました」とのことですので、障害認定日の到来を待つ必要があります。

障害認定日とは

障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、以下のいずれか早い日となります。

  • 「初診日」から起算して1年6月を経過した日
  • 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)

障害認定日の到来を待って、障害年金の請求をご検討されてはいかがでしょうか。

なお、傷病手当金と障害厚生年金は併給調整がありますのでご注意ください。

障害厚生年金と傷病手当金の併給調整について

同一傷病について、「障害厚生年金」を受給している期間と傷病手当金を受給している期間が重なっている場合、傷病手当金について減額調整されます。

  • 傷病手当金>障害厚生年金の場合、傷病手当金は差額分が支給されます。
  • 傷病手当金<障害厚生年金の場合、傷病手当金は支給されません。

障害年金を受給するために

障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。

そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。

ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。

一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。

お気軽にお問合せください。

障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。

煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。

どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。

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