慢性心不全で身体障害者手帳3級の判定だと、障害基礎年金は受けられるのでしょうか?

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慢性心不全で身体障害者手帳3級の判定だと、障害基礎年金は受けられるのでしょうか?

中井智博
中井智博社会保険労務士
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公開日: 最終更新日:

60歳の母が慢性心不全と診断され、現在入院中です。

医師からは身体障害者手帳3級にあたると言われ、手続きをするつもりです。

これまで自営業で収入を得てきた母ですが、今後は収入はなくなります。

身体障害者手帳3級の判定だと、障害基礎年金は受けられるのでしょうか?

まず、身体障害者手帳と障害年金の関係を確認し、次に身体障害者手帳と障害年金の認定基準を比較して障害年金の認定を得られる可能性を検討しましょう。

身体障害者手帳と障害年金の関係について

身体障害者手帳と障害年金は、根拠法も審査機関も認定基準も異なる全く別の制度であり、両者の等級は連動するものではありません。

では、心臓機能障がいでの身体障害者手帳3級の状態を確認しましょう。

心臓機能障がいでの身体障害者手帳3級の状態

心臓機能障がいにより、家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの

18歳以上の場合、医学的所見に加えて、家庭内での極めて温和な日常生活活動には支障がないが、それ以上の活動では心不全症状、狭心症症状や頻脈発作を起こし、繰り返し救急医療を必要とする。

では、どのような状態なら心疾患で障害年金を受給できるか、確認しましょう。

どのような状態なら心疾患で障害年金を受給できるか

障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。

▼障害基礎年金
1級と2級

▼障害厚生年金
1級、2級、3級

障害が重い順に、1級、2級、3級となります。

心筋疾患の認定基準

心疾患の検査での異常検査所見は以下の通りです。

区分

異常検査所見

A

安静時の心電図において、0.2mV以上のSTの低下もしくは 0.5mV以上の深い陰性T波(aVR誘導を除く。)の所見のあるもの

B

負荷心電図(6Mets 未満相当)等で明らかな心筋虚血所見があるもの

C

胸部X線上で心胸郭係数 60%以上又は明らかな肺静脈性うっ血所見や間質性肺水腫のあるもの

D

心エコー図で中等度以上の左室肥大と心拡大、弁膜症、収縮能の低下、拡張能の制限、先天性異常のあるもの

E

心電図で、重症な頻脈性又は徐脈性不整脈所見のあるもの

F

左室駆出率(EF)40%以下のもの

G

BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が 200pg/ml 相当を超えるもの

H

重症冠動脈狭窄病変で左主幹部に 50%以上の狭窄、あるいは、3 本の主要冠動脈に 75%以上の狭窄を認めるもの

I

心電図で陳旧性心筋梗塞所見があり、かつ、今日まで狭心症状を有するもの

【1級】

以下2点を満たすもの

  • 病状(障害)が重篤で安静時においても、心不全の症状(NYHA心機能分類クラス4)を有する
  • 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

【2級】

以下3点を満たすもの

  • 上記異常検査所見のFがある
  • 病状をあらわす臨床所見が5つ以上
  • 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの

以下3点を満たすもの

  • 上記異常所見のA,B,C,D,E,Gのうち2つ以上の所見がある。
  • 心不全の病状をあらわす臨床所見が5つ以上ある。
  • 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの

【3級】

以下3点を満たすもの

  • EF値が50%以下を示す
  • 病状をあらわす臨床所見が2 つ以上ある
  • 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの

以下3点を満たすもの

  • 上記異常所見のA,B,C,D,E,Gのうち1つ以上の所見がある
  • 心不全の病状をあらわす臨床所見が1つ以上ある。
  • 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの

本事案の場合

両認定基準は異なるため、身体障害者手帳3級の判定というだけでは障害基礎年金が受けられるかどうか判断することはできませんが、身体障害者手帳3級の「家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの」を障害年金の認定基準に照らすと、障害年金2級または3級に相当します。

なお、「自営業で収入を得てきた」とのことですが、もし初診日時点で国民年金被保険者であった場合は、障害基礎年金の請求となり、上記2級以上に該当しなければ障害年金を受給することができません。

この点にも注意が必要でしょう。

障害年金の請求を前向きにご検討されてはいかがでしょうか。

障害年金を受給するために

障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。

そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。

ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。

一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。

お気軽にお問合せください。

障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。

煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。

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