先天性の心疾患ですが、障害年金の病歴就労状況等申立書には生まれた時から書くのですか。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
私は先天性の心疾患のため幼少の頃からずっと通院しています。
先日ペースメーカーを入れました。
ペースメーカーを入れたら障害年金がおりると聞いたので申請しようと思っていますが、病歴・就労状況等申立書には生まれた時から書かなければならないのでしょうか。
病歴就労状況等申立書には、発病時からの状態について記載します。
生まれた時から症状があり通院をしている場合は、生まれた時から記載します。
病歴・就労状況等申立書の記載上の注意は以下の通りです。
病歴・就労状況等申立書の記載上の注意
- 発病した時から現在までの経過を年月順に期間をあけずに記入します。
- 同一医療機関を長期間受診していた場合や、医療機関を長期間受診していなかった場合は、その期間を3〜5年ごとに区切って記入します。
- 各期間には、通院回数や治療経過、医師からの指示、自覚症状、日常生活状況、就労状況等について具体的に記入します。
なお、ご質問者様の場合、先天性心疾患のため幼少期から通院をしているとのことですので、20歳前障害の障害基礎年金の請求になります。
その場合、1級、2級しかなく、3級相当の場合は3級非該当として不支給となります。
ペースメーカー装着については3級に認定されるため、障害基礎年金の認定を得ることは困難でしょう。
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
※初診日とは、出生直後に、あるいは乳幼児期の健康診断(6ヶ月〜3歳時健診)、または養護学校、更生相談所等の各種検査のいずれかにおいて、医師または歯科医師の診断により、20歳までに障害が確認されている場合や、療育手帳等が交付されている場合を含みます。
ペースメーカーを装着してもなお状態が悪く、次の認定基準の1級もしくは2級に該当する程度であれば、障害基礎年金の請求についてご検討されてはいかがでしょうか。
難治性不整脈の認定基準
心疾患の検査での異常検査所見は以下の通りです。
区分
異常検査所見
A
安静時の心電図において、0.2mV以上のSTの低下もしくは 0.5mV以上の深い陰性T波(aVR誘導を除く。)の所見のあるもの
B
負荷心電図(6Mets 未満相当)等で明らかな心筋虚血所見があるもの
C
胸部X線上で心胸郭係数 60%以上又は明らかな肺静脈性うっ血所見や間質性肺水腫のあるもの
D
心エコー図で中等度以上の左室肥大と心拡大、弁膜症、収縮能の低下、拡張能の制限、先天性異常のあるもの
E
心電図で、重症な頻脈性又は徐脈性不整脈所見のあるもの
F
左室駆出率(EF)40%以下のもの
G
BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が 200pg/ml 相当を超えるもの
H
重症冠動脈狭窄病変で左主幹部に 50%以上の狭窄、あるいは、3 本の主要冠動脈に 75%以上の狭窄を認めるもの
I
心電図で陳旧性心筋梗塞所見があり、かつ、今日まで狭心症状を有するもの
【1級】
以下2点を満たすもの
- 病状(障害)が重篤で安静時においても、心不全の症状(NYHA心機能分類クラス4)を有する
- 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
- 以下2点を満たすもの
- 上記異常検査所見のEがある
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
- 以下3点を満たすもの
- 上記異常検査所見のA,B,C,D,F,Gのうち 2 つ以上
- 病状をあらわす臨床所見が5つ以上
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
【3級】
- ペースメーカー、ICDを装着したもの
- 以下3点を満たすもの
- 上記異常検査所見のA,B,C,D,F,Gのうち 1 つ以上
- 病状をあらわす臨床所見が1つ以上
- 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
(本回答は2022年9月現在のものです。)
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
心疾患に関するその他のQ&A
- 人工血管になりましたが、障害年金はもらえますか。
- 夫が大動脈解離で倒れて、あっという間に人工血管になりました。今は休職していますが、車の運転業務をしていたので、「前の仕事には戻れない」と言われています。今後が不安なのですが、障害年金はもらえますか。ネットには「人工血管でもらえる!」と書いているページがありますが、「もらえなかった」という人もいるようです。よろしくお願いします。
- 特発性心筋症でペースメーカーをしていませんが障害年金はもらえませんか。もらえる場合はいくらですか。
- 私は現在50歳です。工場で勤務しています。2年前、動悸や息切れが出るようになったので病院を受診したところ、特発性拡張型心筋症と診断されました。現在も投薬治療を受けていますが、動悸や息切れが常にあり、デスクワークの仕事に変えてもらっています。残業も免除してもらっているため、収入が減っています。自宅ではぐったりすることもあり、家のことができず妻に負担をかけています。障害厚生年金の受給ができればと考えたのですが、心臓の病気はペースメーカーやICDを入れていないともらえない、働いていてはもらえないと聞きました。私はペースメーカーもICDも入れていません。このような状況では障害厚生年金の受給は無理でしょうか。また、もし受給できるとしたら、年金の額はどの程度でしょうか。
- うつ病が再発し、寝たきりの状態になっているので、障害基礎年金は再支給されるでしょうか。
- 私は心筋梗塞が原因で心不全を繰り返し、日常生活に支障が出ているため障害基礎年金2級を受給していました。しかし、先日の再認定で3級になり、支給停止になりました。仕事も退職しているため障害基礎年金で生活していたのに、突然支給停止になり、それまで安定していたうつ病が再発し、現在は寝たきりの状態になっています。この状態で支給停止事由消滅届を出せば、障害基礎年金は再支給されるでしょうか。
- 先天性の心疾患ですが、障害年金の病歴就労状況等申立書には生まれた時から書くのですか。
- 私は先天性の心疾患のため幼少の頃からずっと通院しています。先日ペースメーカーを入れました。ペースメーカーを入れたら障害年金がおりると聞いたので申請しようと思っていますが、病歴・就労状況等申立書には生まれた時から書かなければならないのでしょうか。
- 障害年金の申請で病歴就労状況等申立書に詳細に書くと、審査に不利になるでしょうか?
- 私は統合失調症、強迫性障害、パニック、アスペルガー症候群など、数え切れないほどの精神疾患を抱えています。障害基礎年金の請求をするのに診断書を書いてもらいました。診断書には書いていないことや毎日本当に辛いこと、生きづらいことなど、どうしても伝えたいことを病歴就労状況等申立書に書こうと思っていますが、あまり詳細に書くと文章を書く能力があるとみなされて審査に不利になるでしょうか?