15年間通院していない時期があるのですが、障害年金の初診日はいつになるでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は15歳の時に強迫性障害と診断され、精神科へ通院し入院もしました。
しかしその後は症状が落ち着き、15年間通院しませんでした。
30歳の時に急に幻聴が聞こえるようになり、統合失調症と診断され医療保護入院となりました。
今はまた落ち着いて、通院と服薬は続けています。
障害年金の申請を検討しているのですが、私の場合、初診日は15歳の時でしょうか。
それとも30歳の時でしょうか。
ご質問内容からは、強迫性障害と統合失調症の関係が分かりかねるため、どちらが初診日なるかの判断は致しかねますが、双方に相当因果関係があると判断された場合は、15歳の時が初診日なります。
しかし、双方に相当因果関係はなく、別傷病と判断された場合は、30歳の時が初診日になります。
相当因果関係とは
前の疾病または負傷がなかったならば、後の疾病が起こらなかったであろうと認められる場合は、相当因果関係ありと見て前後の傷病を同一傷病として取り扱います。
そのため初診日は、前の疾病または負傷について初めて医師等の診療を受けた日となります。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
相当因果関係の有無については、保険者が判断します。
請求する側が因果関係あリと主張しても、認められないケースもありますし、その逆もあります。
ご質問者様の場合、15年間通院していなかったとのことですが、通院していなかったが症状は続いており、労働や日常生活に著しい制限を受けていた場合は、相当因果関係があるとされる可能性も考えられます。
しかし、他の健常者と同じように仕事をし、日常生活に全く支障なく過ごしていた場合は、双方に相当因果関係はなく別傷病と判断される可能性も考えられます。
どちらが初診日と認定されるかは本質問のみでは判断致しかねますが、どちらかの初診日を主張し、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
なお、統合失調症の認定基準は次の通りです。
統合失調症の認定基準
- 1級…高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの
- 2級…残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの
(本回答は2021年10月現在のものです。)
障害年金の申請について
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このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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