障害年金は、5年前の初診日にさかのぼってもらえるのですか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は22歳の時に新卒で大手企業に就職しましたが、ひどいセクハラ、パワハラに遭い、仕事を続けることができませんでした。
当時は摂食障害と診断されており、1年くらい傷病手当金をいただいた記憶があります。
それから職を転々としましたが、どこも長続きせず、現在27歳で無職です。
1年前から別の病院に通っていて、強迫性障害と広汎性発達障害の診断をされています。
知人から障害年金の申請を勧められているのですが、私の場合、5年前の初診日にさかのぼってもらえるのですか?
ご質問者様の場合、障害年金をさかのぼって受給することは難しいでしょう。
さかのぼって請求することを遡及請求といいますが、遡及請求は初診日ではなく、障害認定日の時点にさかのぼって請求をします。
障害認定日の時点で障害の状態が認定基準に該当すると判断された場合は、障害認定日の時点から受給権が発生します。
遡及請求(さかのぼって請求すること)とは
遡及請求とは、障害認定日に障害等級に該当しているが、知らなかったなどの理由で、障害認定日から1年以上経過して請求するものです。
障害認定日とは
障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
ご質問者様の場合、障害認定日時点では摂食障害と診断されていたことが拝察されますが、摂食障害は障害年金の対象となりません。そのため、遡及請求で認定が得られる可能性は低いでしょう。
現在は、強迫性障害広汎性発達障害と診断されており、強迫性障害は対象となりませんが、発達障害は対象となりますので、事後重症請求では認定が得られる可能性が考えられます。
事後重症請求とは
障害認定日に、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなかった場合でも、その後、状態が悪化し、障害等級に該当する障害の状態となった場合、65歳に達する日の前日までに裁定請求をすることができます。
発達障害の認定について
発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことが出来ないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定をされます。
発達障害の認定基準
【1級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が欠如している
- 著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
【2級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が乏しい
- 不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
【3級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が不十分
- 社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
なお、障害年金の申請にあたっては、認定基準と併せて、保険料納付要件についても確認しましょう。
ご質問者様の場合、22歳の新卒ですぐに就職されていますが、20歳の誕生日以降、厚生年金に加入するまでの期間に未納期間がある場合は、保険料納付要件を満たせない場合があります。
保険料納付要件とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
※ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
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06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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