収入を得ている人が障害年金2級をもらえるのはなぜですか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私の知人に精神障害で障害年金2級をもらっている人がいます。
その方は普通に働いており、年収は400万円以上もらっていると思います。
しかし障害年金は打ち切られることなくもらっているようですが、なぜですか?
そもそも2級は「日常生活は極めて困難で労働により収入を得ることができない程度」
なのに、収入を得ている人が年金をもらえるのはなぜですか?
本回答は2019年7月現在のものです。
障害年金は原則として所得制限はありません。
例外として、
20歳前傷病の障害基礎年金の支給を受けている方は所得制限があります。
この場合は、一定の所得額を超えると支給停止となります。
20歳前傷病の障害基礎年金の所得制限
扶養親族がいない場合、
- 所得額4,621,000円を超えると全額支給停止
- 所得額3,604,000円を超えると年金額の2分の1が支給停止
なお、世帯人数が増加した場合、扶養親族1人につき所得制限額が38万円(※)加算されます。
※対象となる扶養親族が老人控除対象配偶者または老人扶養親族であるときは、1人につき48万円加算。特定扶養親族等であるときは1人につき63万円加算となります。
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、
初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、
障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
※初診日とは、出生直後に、あるいは乳幼児期の健康診断(6ヶ月〜3歳時健診)、または養護学校、更生相談所等の各種検査のいずれかにおいて、医師または歯科医師の診断により、20歳までに障害が確認されている場合や、療育手帳等が交付されている場合を含みます。
ご質問内容からは詳細が分かりかねますが、
20歳前傷病の障害基礎年金以外の障害年金を受けているか、もしくは、
20歳前傷病の障害基礎年金でも所得額が上記の額に満たない場合は、
所得制限を受けることはありません。
「障害年金2級の障害の状態の基本」として、
「必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、
日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度」
と例示されていますが、これは飽くまでも一般的な程度を示すものであり、
収入の有無が2級の条件ではありません。
働きながら障害基礎年金2級を受けている方もおられます。
就労している場合は、日常生活能力について以下のように判断されます。
精神障害で就労している場合の日常生活能力の判断について
精神障害で就労している場合、
労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものととらえず、
その療養状況を考慮するとともに、
仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、
他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで
日常生活能力を判断されます。
収入の有無の一事によって2級が決まるものではありません。
あくまでも障害の状態を審査され、等級が認定されます。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
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06-6429-6666
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このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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