精神遅滞ですが、さかのぼって障害年金を請求することはできるのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私の弟は、3歳の時から精神遅滞と診断され、療育手帳も交付されています。
精神遅滞は治療できるものではないため、病院には行っていませんが、
小学校から高校まで特別支援学校でした。
現在45歳で、B型作業所に通っています。
最近になって障害年金がもらえることを知り、急遽精神科にも通い始めました。
医師にも弟の状態を理解してもらい、診断書は書いてもらえそうです。
医師によると、幼少期からIQは変わっていないだろうとのことですので、
さかのぼって請求ができるのではないかと言われました。
弟は20歳の時は病院には行っていませんが、さかのぼって請求することはできるのでしょうか?
本回答は2019年12月現在のものです。
弟さまの場合、さかのぼって請求することは難しいでしょう。
さかのぼって請求(遡及請求)するためには、障害認定日時点の診断書が必要になりますが、
弟さまの場合、20歳の時は病院には行っていなかったとのことですので、
その時点のカルテがなく、カルテをもとに作成される診断書を取得することができません。
診断書がない場合は、請求そのものが困難です。
遡及請求とは
遡及請求とは、障害認定日に障害等級に該当しているが、
知らなかったなどの理由で、障害認定日から1年以上経過して請求するものです。
障害認定日から3か月以内の診断書を取得することができれば、
遡及請求を行うことができます。
20歳前傷病の障害基礎年金の障害認定日とは
20歳前傷病の障害基礎年金の障害認定日は、
- 20歳の誕生日
- 請求する傷病の初診日から起算して1年6か月を経過した日
のいずれか遅い方となります。
なお、現在の診断書を取得することができれば、事後重症請求は可能です。
診断書は書いてもらえそうとのことですので、
下記の認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
事後重症請求とは
傷病により障害の状態にあるものが、障害認定日において
障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなかった場合でも、
その後、状態が悪化し、障害等級に該当する障害の状態となった場合、
65歳に達する日の前日までに裁定請求をすることができます。
これを事後重症請求といいます。
知的障害の認定について
知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、
日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断されます。
日常生活能力等の判定当たっては、身体的機能および精神的機能を考慮の上、
社会的な適応性の程度によって判断されます。
知的障害の認定基準
- 1級…食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
- 2級…食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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