同居の彼女は5年前から統合失調症で、生活保護をもらっています。障害年金をもらうことはできますか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
同居中の彼女は、5年前から統合失調症になりました。
幻聴、幻覚があり、常に見守りが必要です。
なので、私もフルタイムの仕事ができず、アルバイトを掛け持ちしています。
しかしアルバイトの収入だけでは生活できないので、
彼女に生活保護を受給してもらっています。
こんな状態で障害年金をもらうことはできますか?
本回答は2018年10月現在のものです。
ご質問内容からは、詳細が分かりかねますが、
障害年金の支給要件を満たし、障害の状態が認定基準に該当している場合は、
受給することが可能です。
障害年金の支給要件は、以下の通りです。
障害年金を受給するための3つの条件
- 初診日要件…障害の原因となった病気やケガを医者か歯科医師に診てもらった日は、国民年金と厚生年金のどちらに加入していたか
- 保険料納付要件…一定以上の年金保険料を納めているかどうか。
- 障害認定日要件…厚生労働省が定めた「障害の基準」を満たしているかどうか
「初診日要件」とは
初診日は、国民年金と厚生年金のどちらに加入していたか、
その加入していた制度によって、もらえる年金の種類が決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
※初診日とは…障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
「保険料納付要件」とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日の属する月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと
※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。
「障害認定日要件」とは
障害認定日において、一定以上の障害状態にあるかどうかで判断されます。
※障害認定日とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
統合失調症の認定について
統合失調症は、罹患後数年ないし十数年の経過中に症状の好転を見ることもあり、
また、その反面急激に増悪し、その状態を持続することもあります。
したがって、統合失調症として認定を行うものに対しては、
発病時からの療養及び症状の経過を十分考慮するものとされています。
統合失調症の認定基準
- 1級…高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの
- 2級…残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの
ご質問内容からは、日常生活状況等が分かりかねますが、
幻聴、幻覚があり、常に見守りが必要、とのことですので、
等級に該当している可能性も考えられます。
上記の支給要件を確認し、申請を検討されてはいかがでしょうか。
ただし、生活保護と障害年金の両方の受給権が得られた場合は、
以下のように調整されますので、ご注意ください。
生活保護と障害年金の関係
生活保護と障害年金の両方の受給権を得られた場合、
障害年金は満額支給され、生活保護費の方が調整を受けることとなります。
生活保護と障害年金は以下のような関係になります。
- 最低生活費>障害年金の場合、障害年金は満額、最低生活費は障害年金との差額分が支給されます。
- 最低生活費<障害年金の場合、障害年金は満額、最低生活費は支給されません。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
同居人に関するその他のQ&A
- 障害基礎年金を受給している母と妹を扶養に入れることで、デメリットはあるのでしょうか?
- 私は現在30歳、独身のサラリーマンです。父親が他界し、母親と妹を自分の扶養に入れるか悩んでいます。母は60歳で人工透析をしているため障害基礎年金を受給しています。妹は生まれつき足に障害があり、障害基礎年金を受給しながら週3日くらいのアルバイトしています。アルバイト代はそれほど多くありませんが、障害基礎年金と併せると100万円くらいにはなると思います。母親と妹を扶養に入れることで、私の収入が変わったり税金が増えるなどのデメリットはあるのでしょうか?
- 彼女と同居することになったのですが、彼女に収入があると、兄の障害基礎年金は支給停止になりますか?
- 私の兄は、生まれつき発達障害があり、障害基礎年金を受給しています。アルバイトもできるときとできない時があります。今度、実家の近くで彼女と同居することになったのですが、彼女に収入があると、兄の障害基礎年金は支給停止になりますか?
- 統合失調症と強迫性障害で障害厚生年金2級にならないでしょうか。
- 私は30代女性無職です。統合失調症の病状が良くないため働けません。障害厚生年金3級をもらっていますが、生活ができません。強迫性障害も併発しているので、2級にはならないでしょうか。
- 障害年金の診断書のチェックについて医師に相談するべきでしょうか?
- 双極性障害で障害厚生年金の申請をする予定で、医師に診断書を書いてもらいました。裏面の日常生活状況の欄で、適切な食事と身辺の清潔保持のところのチェックに納得がいきません。食事も掃除も親に頼って自分ではできないことを伝えているのに、自発的にできるが時には助言や指導を必要とするにチェックされていました。障害年金の審査はとても厳しいと聞いているので、絶対後悔したくありません。このチェックについて医師に相談するべきでしょうか?
- 日常生活に不便がなければ、障害年金の申請をしても無駄ですか?
- 現在私は弱視で働いていません。障害年金の相談をしたところ、初診日は5年前で厚生年金加入時で、未納はないと言われました。ただし矯正視力が右0.04、左0.05なので障害年金は難しいと言われました。ベッドに寝たきりで動けないか、部屋から出られないくらいの人でないともらえないそうです。車の運転やテレビを見ることはできませんが、病院の送り迎えは同居人がしてくれますし、食事の用意や洗濯なども同居人がしてくれるので、日常生活に不便はありません。こんな状態では障害年金の申請をしても無駄ですか?