障害厚生年金の初診日から1年しか経っていません。あと半年待つか、障害基礎年金で申請するべきか。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は、鬱病を患っております。
21歳の時が初診日で当時は学生で、免除申請をしていました。
25歳の時に体調が上向き、厚生年金に加入したのですが、
また体調が悪化したので、別の心療内科を受診しました。
今は26歳ですが、さらに悪化して休職中です。
障害基礎年金の申請は1〜2級までしかなく、
私は手帳3級なので、障害厚生年金で申請を検討しています。
しかし、そうすると初診日からまだ1年しか経っていません。
あと半年待った方がいいですか?
それとも障害基礎年金で申請するべきですか?
本回答は2018年5月現在のものです。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
ご質問者様の場合、21歳の学生に時が初診日であると拝察いたしますので、
障害基礎年金の申請になることが考えられます。
25歳の時に別の心療内科を受診されているとのことですが、
病院が変わっても、傷病の初診日は変わりません。
初診日とは
初診日とは、障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
ご質問内容からは、21歳から25歳までの期間の受診状況等が分かりかねますが、
ご質問内容からは社会的治癒を主張することも難しいものと考えられます。
社会的治癒とは
社会的治癒とは、医療を行う必要がなくなり社会復帰して、
無症状で医療を受けることなく相当期間(傷病にもよりますが、約5年程度)
経過している場合に、前の傷病と後の傷病を分けて取り扱う考え方です。
そのため、ご質問者様の場合、障害基礎年金の申請になることが考えられます。
障害基礎年金の申請では、2級以上に該当すると判断された場合、
障害年金が支給されます。
うつ病の認定基準は、以下の通りです。
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
なお、精神保健福祉手帳と障害年金の関係は、以下の通りです。
精神保健福祉手帳と障害年金について
精神保健福祉手帳と障害年金は、
根拠法も審査機関も認定基準も異なる全く別の制度であり、
両者の等級は連動するものではありません。
精神保健福祉手帳の等級がそのまま障害年金の等級となるわけではありません。
精神保健福祉手帳が3級であっても、
障害の状態によっては、障害基礎年金が支給される場合もあります。
現在は休職中とのことですので、申請を検討されてはいかがでしょうか。
障害年金の申請について
障害の状態によって等級が決まりますが、
提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり
というケースが数多くあります。
そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
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平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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