脳外科が初診日だと厚生年金なのですが、カルテがない。障害厚生年金を申請することは不可能でしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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はじめまして。
私は32歳の時に変な頭痛があって、脳外科を受診しました。
いろいろ検査をしましたが異常はなく、気のせいだと言われました。
それでも頭痛は治まらなかったので、近くの心療内科に行き、
その時は自律神経失調症と診断されました。
現在は40歳ですが、診断名は双極性障害に変わっています。
障害年金の申請で、脳外科が初診日だと厚生年金なのですが、
脳外科にはもうすでにカルテは残っていないそうです。
心療内科だと国民年金です。
私は障害厚生年金を申請することは不可能でしょうか?
本回答は2018年4月現在のものです。
ご質問内容から、障害厚生年金を申請するためには、
脳外科を受診した時が初診日と主張しなければならないと拝察いたします。
当時の頭痛と現在の双極性障害について、相当因果関係がある場合は、
脳外科を受診した日が初診日と主張することができます。
また初診日の特定については、
原則としては、診療録に基づいて受診状況等証明書を作成していただきますが、
カルテがないなどの場合で、初診日を明らかにする書類がない時は、
初診日を合理的に推定できるような一定の書類により、
本人が申し立てた日を初診日と認めることができます。
具体的に、次の場合には、審査の上、
本人の申し立てた初診日が認められます。
- 初診日について第三者(隣人、友人、民生委員など)が証明する書類があり、他にも参考資料が提出された場合
- 初診日が一定の期間にあることを示す参考資料が提出され、保険料納付要件など一定の条件を満たしている場合
※第三者(三親等以内の親族は認められません)による確認項目は、以下の通りです。
- 発症から初診日までの症状の経過
- 初診日頃における日常生活上の支障度合い
- 医療機関の受診契機
- 医師からの療養の指示など受診時の状況
- 初診日頃の受診状況を知り得た状況 など
診察券等がある場合は、
それらの参考資料により初診日が認められる場合があります。
初診日の特定と、現在の双極性障害との因果関係を主張し、
障害厚生年金の申請を検討されてはいかがでしょうか。
なお、双極性障害の認定基準は以下の通りです。
双極性障害の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
障害年金の申請について
障害の状態によって等級が決まりますが、
提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり
というケースが数多くあります。
そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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