多系統萎縮症でも障害年金がもらえると聞いたのですが、父も支給されるのでしょうか?

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多系統萎縮症でも障害年金がもらえると聞いたのですが、父も支給されるのでしょうか?

中井智博
中井智博社会保険労務士
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公開日:

私の父は71歳ですが、5年前に多系統萎縮症と診断されています。

すでに車いす生活で、常に母が介護をしています。

先日、知人から多系統萎縮症でも障害年金がもらえると聞いたのですが、

父も障害年金が支給されるのでしょうか?

父は65歳で退職し、老齢基礎年金と老齢厚生年金をもらっています。

本回答は2018年2月時点のものです。

 

多系統萎縮症も障害年金の支給対象となっています。

 

しかし、障害年金は原則として、65歳の誕生日の2日前までに申請しなければなりません。

65歳以降でも申請できる場合は以下に限られます。

65歳以降でも障害年金を申請できる場合

  1. 初診日が、65歳の2日前までにあり、障害認定日の障害状態が障害等級に該当している場合
  2. 前発傷病と後発傷病を併せて、65歳前にはじめて2級となった場合
  3. 初診日において国民年金の任意加入者であった場合
  4. 初診日において厚生年金加入中であった場合

 

上記1の通り、65歳の前からの障害の状態なら65歳を過ぎてからでも申請できます。

しかし、1により申請するためには遡及請求をしなければなりません。

 

遡及請求とは

遡及請求とは、障害認定日に障害等級に該当しているが、

知らなかったなどの理由で、障害認定日から1年以上経過して請求するものです。

障害認定日から3か月以内の診断書を取得することができれば、

遡及請求を行うことができます。

 

障害認定日とは

障害認定日とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、

  1. 初診日から起算して1年6月を経過した日
  2. 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)

のいずれか早い日となります。

 

障害認定日を特定するためには、初診日を特定する必要があります。

ご質問内容からは、多系統萎縮症の初診日がわかりかねますが、

多系統萎縮症は進行性の病気のため、初期段階で受診している場合もあります。

初診日が65歳の2日前までにあれば、障害年金が申請ができる場合があります。

 

初診日とは

初診日とは、障害の原因となった傷病について、

初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。

 

多系統萎縮症の主な症状としては、起立歩行のふらつきなどの肢体の機能の障害や、

言語機能の障害、嚥下障害などがあります。

肢体に障害がある場合は、

以下の認定基準によって審査されることが考えられます。

 

肢体の障害の認定について

肢体の機能の障害の程度は、

関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、

日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定されます。

 

肢体の障害の認定基準

【1級】

  • 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの
  • 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの

【2級】

  • 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの
  • 四肢に機能障害を残すもの

【3級】

  • 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの

 

平衡機能の障害の認定基準

【2級】

  • 閉眼で起立・立位保持が不能又は開眼で直線を歩行中に10メートル以内に転倒あるいは著しくよろめいて歩行を中断せざるを得ない程度のもの

【3級】

  • 閉眼で起立・立位保持が不安定で、開眼で直線を10メートル歩いたとき、多少転倒しそうになったりよろめいたりするがどうにか歩き通す程度のもので、労働能力が明らかに半減しているもの
  • めまいの自覚症状が強く、他覚所見として眼振その他平衡機能検査の結果に明らかな異常所見が認められ、かつ、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもので、症状の固定していないもの

 

障害認定日の時点で障害等級に該当すると判断された場合は、

障害年金の受給権を得ることができます。

 

ただし、年金を受ける権利は、権利が発生してから5年を経過すると時効消滅します。

そのため、遡及請求が認められたとしても、

実際に支給を受けることが出来るのは時効消滅していない直近の5年分となります。

 

お父さまの場合、5年前の時点ではすでに老齢年金を受給していますので、

以下の組み合わせの中から有利な組み合わせを選択することとなり、

その差額が支払われることになります。

 

障害年金と老齢年金の両方の受給権を得られた場合の組み合わせ

障害年金と老齢年金の両方の受給権を得られた場合の受給可能な組み合わせは、

  • 障害基礎年金+障害厚生年金
  • 老齢基礎年金+老齢厚生年金
  • 障害基礎年金+老齢厚生年金

の3通りとなり、上記の中から有利なものを選択することになります。

また、途中で選択替えをすることも可能です。

 

障害年金の等級によっては、

現在の老齢年金のみの受給額の方が多い場合もあります。

これらを踏まえ、障害年金の申請を検討されてはいかがでしょうか。

 

障害年金の申請について

障害の状態によって等級が決まりますが、

提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり

というケースが数多くあります。

そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。

審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、

1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。

慎重にご準備ください。

申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。

 

社労士への依頼も合わせてご検討ください

よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。

疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。 

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