両足に人工股関節置換術を受けていますが、障害年金はもらえるでしょうか。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は5年前に再生不良性貧血の中等症と診断されました。
再生不良性貧血の症状はだいぶ改善していますが、治療の際に使用したステロイドの副作用により、両側大腿骨頭壊死になりました。
半年前に右足、2か月前に左足の人工股関節置換術を受けて現在に至ります。
私は5年前も現在も主人の扶養になっており、第3号被保険者ですが、障害年金はもらえるでしょうか。
ご質問者様の場合、障害基礎年金の請求になることが拝察されるため、障害の状態が1級もしくは2級に該当する場合、受給が可能となります。
人工関節をそう入置換したものについては、原則として3級と認定されるため、両足が人工関節であっても、生活に支障がない場合は、受給は困難です。
ただし、両足に人工関節のそう入置換術を行い、かつ、以下のすべてを満たすと2級に認定されます。
両下肢に人工骨頭または人工関節をそう入置換した場合
- 立ち上がる、歩く、片足で立つ、階段を登る、階段を下りるなどの日常生活動作が、実用性に乏しいほど制限されていること。例えば、日常生活動作の多くが一人で全くできないか、または必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、非常に困難であること。
- 下肢障害の主な原因および程度評価の根拠が、自覚症状としての疼痛のみによるものではなく、医学的、客観的にその障害を生ずるに妥当なものであること。
- 下肢の障害の状態が、行動量、気候、季節などの外的要因により一時的に大きく変動するものではなく、永続性を有すること。
ご質問内容からは、具体的な日常生活状況等がわかりかねますが、上記の認定基準を参考にしていただき、請求をご検討されてはいかがでしょうか。
なお、再生不良性貧血についても障害年金の対象となっています。
障害の状態や検査所見が2級以上に該当する程度であれば、障害基礎年金が受給できる可能性が考えられます。
赤血球系・造血不全疾患(再生不良性貧血、溶血性貧血等)の認定基準
障害の程度
障害の状態
1級
A表1欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、B表1欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級
A表2欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、B表2欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの
3級
A表3欄に掲げるうち、いずれか1つ以上に所見があり、B表3欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
A表
区分
臨床所見
1
- 高度の貧血、出血傾向、易感染症を示すもの
- 輸血をひんぱんに必要とするもの
2
- 中度の貧血、出血傾向、易感染症を示すもの
- 輸血を時々必要とするもの
3
- 軽度の貧血、出血傾向、易感染症を示すもの
- 輸血を必要に応じて行うもの
B表
区分
検査所見
1
1 末梢血液中の赤血球像で、次のいずれかに該当するもの
- ヘモグロビン濃度が 7.0g/dl未満のもの
- 網赤血球数が 2万/μl未満のもの
2 末梢血液中の白血球像で、次のいずれかに該当するもの
- 白血球数が 1,000/μl未満のもの
- 好中球数が 500/μl未満のもの
3 末梢血液中の血小板数が2万/μl未満のもの
2
1 末梢血液中の赤血球像で、次のいずれかに該当するもの
- ヘモグロビン濃度が 7.0g/dl以上 9.0g/dl未満のもの
- 網赤血球数が 2万/μl以上 6万/μl未満のもの
2 末梢血液中の白血球像で、次のいずれかに該当するもの
- 白血球数が 1,000/μl以上 2,000/μl未満のもの
- 好中球数が 500/μl以上 1,000/μl未満のもの
3 末梢血液中の血小板数が 2 万/μl以上 5 万/μl未満のもの
3
1 末梢血液中の赤血球像で、次のいずれかに該当するもの
- ヘモグロビン濃度が 9.0g/dl以上 10.0/dl未満のもの
- 網赤血球数が6万/μl以上10万/μl未満のもの
2 末梢血液中の白血球像で、次のいずれかに該当するもの
- 白血球数が 2,000/μl以上 3,300/μl未満のもの
- 好中球数が 1,000/μl以上 2,000/μl未満のもの
3 末梢血液中の血小板数が 5 万/μl以上 10 万/μl未満のもの
一般状態区分表
区分
一般状態
ア
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
イ
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの。 例えば、軽い家事、事務など
ウ
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
エ
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
オ
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
血液・造血器疾患による障害の認定について
検査成績は、その性質上変動しやすいものであるので、血液・造血器疾患による障害の程度の判定に当たっては、最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づいて行われます。特に、輸血や補充療法により検査数値が一時的に改善する場合は、治療前の検査成績に基づいて行われます。
血液・造血器疾患の病態は、各疾患による差異に加え、個人差も大きく現れ、病態によって生じる臨床所見、検査所見も、また様々なので、認定に当たってはA表及びB表によるほか、他の一般検査、特殊検査及び画像診断等の検査成績、病理組織及び細胞所見、合併症の有無とその程度、治療及び病状の経過等を参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定されます。
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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