乾癬性関節炎では障害年金はもらえないのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は50代専業主婦です。
2年前から、関節リウマチに酷似した乾癬性関節炎を治療中です。
障害年金の診断書をお願いしましたが、「この頃は却下されることが多いから、今回もダメかもしれない」と言われてしまいました。
乾癬性関節炎では障害年金はもらえないのでしょうか?
本回答は2020年12月現在のものです。
乾癬性関節炎は、皮膚の病気である乾癬に、腫れと痛みを伴う手足などの関節炎を合併する病気と言われています。
皮膚の症状のみでは障害年金の受給は困難ですが、肢体に障害がある場合は、受給できる可能性が考えられます。
肢体の機能障害の程度の認定
肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定されます。
肢体の機能障害が四肢に及ぶ場合の認定基準
肢体の機能障害が四肢に及ぶ場合の1級、2級に該当する障害の状態は以下の通りです。
- 1級…四肢の機能に相当程度の障害を残すもの…日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」
- 2級…四肢に機能障害を残すもの…日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」
※日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することはできませんが、おおむね次の通りとされています。
【手指の機能】
- つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
- 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
- タオルを絞る(水を切れる程度)
- ひもを結ぶ
【上肢の機能】
- さじで食事をする
- 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
- 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
- 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
- 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
- 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
【下肢の機能】
- 片足で立つ
- 歩く(屋内)
- 歩く(屋外)
- 立ち上がる
- 階段を上る
- 階段を下りる
ただし、疼痛(痛み)については、認定対象とされていません。
疼痛について
疼痛は、原則として認定の対象となりませんが、次の1〜4等の場合は、発作の頻度、強さ、持続時間、疼痛の原因となる他覚所見等により、以下の通りに取り扱います。
- 四肢その他の神経の損傷によって生じる灼熱痛
- 脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛
- 根性疼痛
- 悪性新生物に随伴する疼痛等
- 3級…軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のもの
- 障害手当金…一般的な労働能力は残存しているが、疼痛により時には労働に従事することができなくなり、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの
3級および障害手当金は、厚生年金にしかない等級です。
初診日(初めて病院を受診した日)の時点で厚生年金に加入していれば、障害厚生年金の請求になるため、3級および障害手当金であっても受給できます。
しかし、初診日の時点で専業主婦で、ご自身では厚生年金に加入していなかった場合は、障害基礎年金の請求になるため、2級以上に該当しないと受給できません。
3級および障害手当金相当では、不支給となります。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、初診日(初めて病院を受診した日)に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級および3級
このように疼痛が主体の場合は、障害年金の受給は難しいかもしれませんが、肢体の機能障害が四肢に及ぶ場合は受給の可能性が考えられます。
これらを参考にしていただき、申請についてご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
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このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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- 私は幼いころからアトピー体質で喘息もあり、よく病院のお世話になっていました。大人になってからは体質も良くなり、通院もしなくなったのですが、3年くらい前に乾癬という皮膚の疾患にかかりました。アトピーのように皮膚が赤くなったりかゆくなったりします。病気ばかりで気分も落ち込み、うつ状態になり、就職も決まらず収入が不安定です。こんな状態ですが、障害年金はもらえるでしょうか?