まず、障害年金における神経症の取扱いについて確認し、次に乳がんについて検討しましょう。
神経症の取扱いについて
神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象となりません。
「神経症にあっては原則として認定対象とならない」とは、その傷病による障害については、それがどのようなものであっても、その状態をもって、障害等級に該当する程度以上の障害の状態にあたるものとはしない、との趣旨となっております。
ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症または気分障害に準じて取り扱うとされ、例外的に認定の対象となります。
なお、認定に当たっては、精神病の病態がICD-10による病態区分のどの区分に属す病態であるかを考慮し判断されます。
本事案の場合
パニック障害、人格障害、不眠症、心身症は、国際疾病分類(ICD-10)により神経症に区分されております。
また、人格障害については、神経症とは別に「人格障害は、原則として認定の対象とならない。」と認定基準に明記されております。
さらに、心因性による失語症も障害年金の認定の対象とされていません。
障害年金の対象となる失語症
障害年金の対象となる失語症とは、大脳の言語野の後天性脳損傷(脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷や脳炎など)により、一旦獲得された言語機能に障害が生じた状態のものをいいます。
一方、乳がんは障害年金の認定の対象とされております。
では、どのような状態なら乳がんで障害年金を受給できるか、確認しましょう。
どのような状態なら乳がんで障害年金を受給できるか
障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。
▼障害基礎年金
1級と2級
▼障害厚生年金
1級、2級、3級
障害が重い順に、1級、2級、3級となります。
1級、2級、3級の状態は、以下の通りとなっています。
| 障害年金の等級 |
障害の状態 |
3級 ※障害厚生年金のみ |
労働に著しい制限があるもの |
| 2級 |
日常生活に著しい制限があるもの |
| 1級 |
他人の介助がなければほとんど自分の用事を済ませることができないもの |
本事案の場合
「最近、乳がんであることも分かり、今後治療して行くこととなりました」とのことですので、まだ障害認定日が到来していないでしょう。
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障害認定日とは
障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、以下のいずれか早い日となります。
- 「初診日」から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
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乳がんについて、障害認定日を待って、請求をご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。