先天性脊髄係留症候群を患っていて下肢障害、直腸および膀胱機能障害で障害年金がもらえるでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は現在45歳男性です。先天性脊髄係留症候群を患っています。
身体障害者手帳は、右内反足による下肢障害2級と、直腸および膀胱機能障害4級です。
現在の状態は、踵をつけて歩くことができません。外出時は装具の着用が必要です。
また大腸の方が良くなく、仕事場に迷惑をかけています。
障害年金が受給できたら、短時間の仕事に変わろうと思いますが、
私は障害年金がもらえるでしょうか?
本回答は2019年9月現在のものです。
先天性脊髄係留症候群とは、神経の障害で、
症状としては、排便障害、下肢運動障害、痛みなどの感覚障害があると言われています。
ご質問内容からは、直腸および膀胱機能障害の状態が分かりかねますが、
右足の状態については、身体障害者手帳が下肢障害2級とのことですので、
「一下肢の機能を全廃したもの」であることが拝察されます。
この状態を障害年金の認定基準に当てはめると、
2級の状態に該当する可能性が考えられます。
一下肢の機能障害の認定基準は、以下の通りです。
一下肢の機能障害の認定基準
【2級】
- 一下肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が全く用を廃したもの
具体的には、一上肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が、
- 不良肢位で強直しているもの
- 関節の他動可動域が、健側の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
- 筋力が著減または消失しているもの
のいずれかに該当する程度のものをいいます。
【3級】
- 一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの、例えば、起床から就寝まで固定装具を必要とする程度の動揺関節をいう
ご質問内容からは、初診日等が分かりかねますが、
初診日が20歳前にある場合は、20歳前傷病の障害基礎年金の請求となり、
障害の状態が2級以上に該当すると判断された場合、支給されます。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、
初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、
障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
※初診日とは、出生直後に、あるいは乳幼児期の健康診断(6ヶ月〜3歳時健診)、または養護学校、更生相談所等の各種検査のいずれかにおいて、医師または歯科医師の診断により、20歳までに障害が確認されている場合や、療育手帳等が交付されている場合を含みます。
上記について参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
なお、直腸および膀胱機能障害については、
「その他の疾患による障害」の認定基準によって審査されることが考えられます。
下肢障害、直腸および膀胱機能障害のいずれも2級に該当する場合は、
併合でさらに上位等級に認定される可能性も考えられます。
その他の疾患による障害の認定基準について
眼や肢体などの身体障害や精神障害ではない、その他の疾患による障害の程度は、
全身状態、栄養状態、年齢、進行状況等、具体的な日常生活状況等を考慮し、
総合的に認定されます。
【1級】
- 身体の機能に障害又は長期にわたる安静を必要とする症状があり、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 身の回りのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
- 日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
次のいずれかに該当するもの
- 身の回りのことはある程度できるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
【3級】
- 労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの
次のいずれかに該当するもの
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
- 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの。 例えば、軽い家事、事務など
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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