鬱病持ちです。国民年金を払っていないのですが、障害者年金はアウトですか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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15年来の鬱病持ちです。32歳男です。
自殺未遂、睡眠障害、自傷行為、オーバードーズなど繰り返しており、 仕事にもつけません。
国民年金を払っていないのですが、障害者年金はアウトですか?
自立支援の手続きはできました。
まずは障害年金の請求の条件を確認しましょう。
障害年金の請求の条件とは
障害年金を請求するためには以下の要件を満たしていることが前提となります。
- 初診日要件…原則として初診日に公的年金に加入していること
- 保険料納付要件…原則として保険料を、ある程度納付または免除をしていること
初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること。
または、初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。
なお、20歳前の公的年金未加入期間に初診日がある方は、保険料納付要件は問われません。
このふたつの要件を満たしていれば、障害年金を請求することができ、障害の状態が基準に該当しているかどうか、審査を受けることができます。
審査の結果、基準に該当すると判断されれば、障害年金を受給することができます。
本事案の場合
「国民年金を払っていない」とのことですので、上記の「保険料納付要件」を満たせているか否かが不安ということでしょう。
現在32歳で、15年前からとのことですので、17歳の頃からうつ病を患っているものと拝察いたします。
17歳の頃から病院に通っていたのであれば、20歳前に初診日があるため、保険料納付要件は問われません。
初診日とは…
初診日とは、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
20歳前に初診日があることが明らかであり、障害の状態が認定基準に該当している場合は、国民年金が未納であっても、障害年金の受給が可能です。
では、うつ病でどのような状態なら障害年金を受給できるか確認しましょう。
うつ病の認定基準
障害の等級
障害の状態
1級
高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
2級
気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
※障害厚生年金のみ
気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
上記の状態に該当すると判断されれば、障害年金を受給できるでしょう。
保険料の納付について
国民年金の第1号被保険者は、原則として保険料を納める義務があります。
ただし、収入の減少や失業等により保険料を納めることが経済的に難しいときは、申請することにより、保険料の納付が免除となる場合があります。
申請免除とは
国民年金の第1号被保険者本人、保険料連帯納付義務者である世帯主・配偶者のいずれもが、以下のいずれかに該当するときは、申請して承認を受ければ、保険料の全額または一部の納付義務が免除されます。
- 所得が低いとき
- 本人またはその世帯の人が生活保護の生活扶助以外の扶助を受けているとき
- 保険料の納付が著しく困難なとき等
※申請免除には全額免除と4分の3免除、半額免除、4分の1免除があります。
国民年金保険料が全額免除となっている期間については、老齢基礎年金の額は、2分の1を納付したものとして計算されますが、手続きをせず、未納となった場合2分の1は受け取れません。
平成29年7月までは、老齢年金を受け取るためには、保険料納付済期間と国民年金の保険料免除期間などを合算した資格期間が原則として25年以上必要でした。
平成29年8月1日からは、資格期間が10年以上あれば老齢年金を受け取ることができるようになります。
国民年金を払っていないとのことですが、免除ではなく未納のままであればそのまま放置せず、保険料免除制度を利用しましょう。
なお、障害年金2級以上の受給権が得られた場合は、国民年金保険料が免除されます。
国民年金保険料の法定免除について
障害基礎年金の認定が得られると、認定された日を含む月の前月の保険料から法定免除となります。
障害年金を受給するために
障害年金の申請は、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
「事務手数料の2万円を支払うのが惜しくて、とりあえず自分でやってみたけど不支給だった。なんとかしてください」というご相談をいただくケースがあります。
当然その時点からできる限りのサポートをさせていただくのですが、事後重症請求の方の場合、1か月請求が遅くなれば、障害基礎年金2級なら毎月約6万5千円ずつ捨てていくことになります。
最初にかかる2万円の事務手数料を惜しんだばかりに、障害年金の受け取りが数か月遅くなっては本末転倒です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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