うつ病で障害年金の申請をする場合、消化器内科の治療期間を含めることができるでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は2年前から胃痛がひどく、近くの消化器内科に通っていたのですが、一向に良くなりませんでした。
先月からアルバイトにも行けなくなったので心療内科を受診したところ、胃痛は心因性のもので、あなたはうつ病ですと言われました。
収入がないので障害年金の申請を検討しています。
障害年金は1年6ヶ月の治療期間を要するとのことですが、私の場合、消化器内科の治療期間は1年6ヶ月に含めることができるでしょうか?
本回答は2020年4月現在のものです。
障害年金は、1年6ヶ月の治療期間を要するのではありません。
障害認定日が到来すれば申請ができるものであり、この障害認定日は、原則として初診日から1年6ヶ月経過した日とされています。
障害認定日とは
障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 「初診日」から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
具体的には次のような場合が初診日とされます。
- 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
- 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
- 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
- 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
- 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日
※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
ご質問者様の場合、初診日がいつになるかが分かりかねますが、消化器内科で心因性を疑われ、睡眠薬や抗うつ剤を処方されていたようなケースでは、消化器内科に初めて受診した日が初診日になる可能性が考えられます。
その場合は、すでに1年6ヶ月が経過していることが拝察されるため、障害年金の申請は可能でしょう。
しかし、消化器内科では心因性は疑われず、精神科への受診も促されず、自ら心療内科を受診したようなケースでは、心療内科を初めて受診した日が初診日になる可能性が考えられます。
その場合は、まだ1年6ヶ月は経過していないことが拝察されるため、障害認定日の到来を待つ必要があります。
障害年金の申請を検討しているとのことですので、まずは初診日の確認から始められてはいかがでしょうか。
なお、うつ病の認定基準は、以下の通りです。
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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