障害年金の申請に必要な診断書を書いてもらう病院が分かりません。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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主人が脳内出血で救急搬送されて180日が経ちました。
現状は 、右上肢麻痺 ・右下肢麻痺 ・著しい言語障害です。
もう障害者年金の申請は可能ですか?
申請に必要な診断書は最初に手術してもらった総合病院ですか?
それとも転院してリハビリしていた病院なのか、
今後薬を貰う近医の病院なのかがわかりません。
本回答は2017年6月時点のものです。
障害年金は、障害認定日が到来すれば申請が可能となります。
脳梗塞などの脳血管疾患の場合の障害認定日は、以下の通りです。
脳血管疾患の障害認定日
脳血管疾患による障害の場合、障害認定日は
- 初診日から6か月経過後の症状固定日
- 初診日から1年6か月を経過した日
のいずれか早い方の日となります。
ご主人さまの場合、医師より症状固定と診断されているのであれば、
初診からすでに180日(6か月)が経過しているので、
障害年金の申請が可能となります。
診断書は、障害認定日の時点で検査や診察をしていただいた医師に作成を依頼します。
たとえば右上下肢麻痺や言語障害であれば、
筋力や関節可動域、発声言語の理解度などを診察、検査した病院で作成していただきます。
ご質問内容からは、障害の状態等が分かりかねますが、
障害年金を申請するのであれば、
肢体の障害用、言語機能の障害用の診断書をそれぞれ取得し、申請することとなります。
下記の認定基準を参考にしていただき、申請をしましょう。
肢体の障害の認定について
肢体の機能の障害の程度は、
関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、
日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定されます。
各等級に相当すると認められるものを一部例示すると、以下の通りです。
半身まひの認定基準
【1級】
- 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの…日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない」又はこれに近い状態
【2級】
- 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの…日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」
【3級】
- 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの…日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」
障害年金の対象となる失語症
障害年金の対象となる失語症とは、
大脳の言語野の後天性脳損傷(脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷や脳炎など)により、
一旦獲得された言語機能に障害が生じた状態のものをいいます。
失語症の障害の程度の認定について
障害年金の失語症の障害の程度は、
- 単語の呼称
- 短文の発話
- 長文の発話
- 単語の理解
- 短文の理解
- 長文の理解
により判断されます。
音声又は言語機能の障害による認定基準は以下の通りです。
音声又は言語機能の障害の認定基準
【2級】
- 発音にかかわる機能を喪失するか、話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方がほとんどできないため、日常会話が誰とも成立しないもの
【3級】
- 話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方に多くの制限があるため、日常会話が、互いに内容を推論したり、たずねたり、見当をつけることなどで部分的に成り立つもの
【障害手当金】
- 話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方に一定の制限があるものの、日常会話が、互いに確認することなどで、ある程度成り立つもの
障害年金の申請について
障害の状態によって等級が決まりますが、
提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり
というケースが数多くあります。
そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
私は元厚生労働省の事務官ですので、
役所の論理・理屈を理解しており、これまで90%以上の確率で認定を得ています。
もし社労士への依頼を検討される場合は、こういった点も合わせてお考えください。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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