右大腿骨頭壊死で障害年金が不支給。不服申し立てをして認定されるでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は2年前、右股関節に痛みを感じ右大腿骨頭壊死と診断され、
昨年人工関節置換手術をうけました。
その為、障害厚生年金の請求を行ったところ、
日本年金機構から年金不支給の決定通知が届きました。
理由は、初診日より前にベーチェット病と診断されている為、
その日が初診日であるということ、そしてその当時、
私は厚生年金に加入していなかった為、 年金支給が出来ないということでした。
ステロイドが原因なのかとも思いますが、痛みを感じた日が初診日ではないのですか?
不服申し立てをして認定されるでしょうか?
本回答は2018年4月現在のものです。
初診日とは
初診日とは、障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
ステロイド投薬による副作用で大腿骨頭無腐性壊死が生じた場合、
相当因果関係ありとみて、前後の傷病を同一傷病として取り扱います。
ご質問者様の場合、ベーチェット病の治療のために行ったステロイド投薬と、
現在の大腿骨骨頭壊死症の間に因果関係があると判断されたのでしょう。
ご質問内容からは、不服申立てにより覆る可能性についての判断はいたしかねますが、
不服申立てをする場合、ステロイド治療と大腿骨骨頭壊死症の相当因果関係を否定する必要があるでしょう。
なお、ベーチェット病の初診日が大腿骨骨頭壊死症の初診日と認定された場合、
ベーチェット病の初診日の時点で国民年金に加入し、
保険料納付要件を満たしている場合は、障害基礎年金の申請が可能になりますが、
人工関節術を施行したものは、原則として3級と認定されるため、
障害基礎年金の申請では不支給になります。
ただし、そう入置換してもなお、
「一下肢の用を全く廃したもの」程度以上に該当するときは、
さらに上位等級に認定される場合があります。
また、今後状態が悪化し、
両下肢それぞれに行った場合、2級に認定される場合があります。
申請の際は、下記の認定基準をご参照ください。
両下肢に人工骨頭または人工関節をそう入置換した場合
両下肢の3大関節のうち1関節にそれぞれ人工骨頭または人工関節の
そう入置換手術を行った場合の障害認定については、
以下の要件のすべてを満たした場合には、2級以上に認定することとされています。
- 立ち上がる、歩く、片足で立つ、階段を登る、階段を下りるなどの日常生活動作が、実用性に乏しいほど制限されていること。例えば、日常生活動作の多くが一人で全くできないか、または必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、非常に困難であること。
- 下肢障害の主な原因および程度評価の根拠が、自覚症状としての疼痛のみによるものではなく、医学的、客観的にその障害を生ずるに妥当なものであること。
- 下肢の障害の状態が、行動量、気候、季節などの外的要因により一時的に大きく変動するものではなく、永続性を有すること。
障害年金の申請について
障害の状態によって等級が決まりますが、
提出書類によって、2級相当の状態なのに3級となったり不支給となったり
というケースが数多くあります。
そのため関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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