移植を受けたというだけでは障害年金の受給は難しいでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は16歳で特発性間質性肺炎と診断されました。
35歳の時に肺移植を受け、現在は在宅酸素は必要ありません。
数値は健常者にやや劣る程度で日常生活に大きな問題はありませんが、免疫抑制剤は一生涯にわたって飲まなければなりません。
感染症にかかりやすく、常に気を使った生活をしています。
移植を受けたというだけでは障害年金の受給は難しいでしょうか?
障害年金は、移植を受けたということのみで受給の可否を判断されるものではありません。
あくまでも障害の状態を審査され、受給の可否が決定されます。
以下で、どのような状態なら呼吸器疾患で障害年金を受給できるか、確認しましょう。
どのような状態なら呼吸器疾患で障害年金を受給できるか
障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。
▼障害基礎年金
1級と2級▼障害厚生年金
1級、2級、3級障害が重い順に、1級、2級、3級となります。

間質性肺炎などの慢性呼吸不全を生じる疾患の認定基準は以下の通りです。
呼吸器疾患の認定基準
【A表 動脈血ガス分析値】
区分
検査項目
単位
軽度異常
中等度異常
高度異常
1
動脈血O2分圧
Torr
70~61
60~56
55以下
2
動脈血CO2分圧
Torr
46~50
51~59
60以上
(注)病状判定に際しては、動脈血 O2分圧値を重視する。
【B表 予測肺活量1秒率】
検査項目
単位
軽度異常
中等度異常
高度異常
予測肺活量1秒率
%
40~31
30~21
20以下
【1級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が高度異常を示すもの
- 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が中等度異常を示すもの
- 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
【3級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が軽度異常を示すもの
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
※なお、呼吸不全の障害の程度の判定は、A表の動脈血ガス分析値を優先するが、その他の検査成績等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。
本事案の場合
本事案の場合、16歳から診断されているため、「20歳前傷病の障害基礎年金」の請求になるでしょう。
20歳前傷病の障害基礎年金とは…
先天性の病気などにより初診日が20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が1級または2級に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
移植を受けたというだけでは障害年金の受給の可否は決まりません。
検査成績や日常生活の状況が上記2級に該当する程度であれば、障害年金を受給できる可能性が考えられますが、移植により検査数値が改善し、日常生活に大きな問題がない場合は、障害年金を受給することは難しいでしょう。
上記ご参考のうえ、障害年金の請求をご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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- 常時ではないのですが酸素療法を行い勤務を続けている状況で、障害年金は受けられるのでしょうか?
- 私は50代男性で、一般の企業に勤めています。2年前に特発性間質性肺炎と診断され、現在は在宅酸素療法を行っています。安定時は酸素療法はしていないのですが、外出時などは酸素療法を行っています。事務系の仕事で残業もないため勤務を続けられている状況です。このような状況で、障害年金は受けられるでしょうか。


