片麻痺の後遺症で障害者手帳6級程度の障害では、障害年金は受給できませんか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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脳出血になって後遺症が残りました。
片麻痺の後遺症で障害者手帳6級を交付されています。
障害者手帳6級程度の障害では、障害年金は受給できませんか?
まず、「片麻痺の後遺症で障害者手帳6級程度の障害」を検討してみましょう。
一上下肢の障害で身体障害者手帳6級の状態とは
例えば、「一下肢の機能の軽度の障害」と「一上肢の機能の軽度の障害」はともに身体障害者手帳7級に該当し、重複する場合は身体障害者手帳6級とされます。
次に、障害年金の一上下肢の障害の認定基準を検討しましょう。
障害年金の一上肢及び一下肢の障害の認定基準
障害年金においては等級に該当するかどうかを、「日常生活における動作」を中心に審査され、具体的には以下に該当するかどうかを判断されます。
障害の程度
障害の状態
1級
一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの
2級
一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの
3級
一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの
※上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定されます。
- 一上肢とは…右か左の腕
- 一下肢とは…右か左の足
- 「用を全く廃したもの」とは…日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいいます。
- 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは…日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいいます。
- 「機能障害を残すもの」とは…日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいいます。
具体的にどのような項目を審査されるのか、以下で確認しましょう。
「日常生活における動作」の評価項目
日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができませんが、おおむね次のとおりです。
ア.手指の機能
(ア)つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
(イ)握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
(ウ)タオルを絞る(水をきれる程度)
(エ)ひもを結ぶ
イ.上肢の機能
(ア)さじで食事をする
(イ)顔を洗う(顔に手のひらをつける)
(ウ)用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
(エ)用便の処置をする(尻のところに手をやる)
(オ)上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
(カ)上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
ウ.下肢の機能
(ア)片足で立つ
(イ)歩く(屋内)
(ウ)歩く(屋外)
(エ)立ち上がる
(オ)階段を上る
(カ)階段を下りる
※補助用具を使わないでどの程度の状態なのかを判断されます。
本事案について
本事案については、片麻痺の後遺症の具体的な程度がわかりかねますので、障害年金の受給の可否は判断いたしかねますが、上記についてご参考の上、障害年金の請求をご検討されてはいかがでしょうか。
障害年金を受給するために
障害年金の申請は、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
「事務手数料の2万円を支払うのが惜しくて、とりあえず自分でやってみたけど不支給だった。なんとかしてください」というご相談をいただくケースがあります。
当然その時点からできる限りのサポートをさせていただくのですが、事後重症請求の方の場合、1か月請求が遅くなれば、障害基礎年金2級なら毎月約6万5千円ずつ捨てていくことになります。
最初にかかる2万円の事務手数料を惜しんだばかりに、障害年金の受け取りが数か月遅くなっては本末転倒です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
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平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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