厚生年金に加入した場合、障害年金は打ち切りになったりするのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
私は現在、腎臓の疾患で障害基礎年金2級を受給しています。
1年ほど前に腎移植を受け、体調も安定してきたので、
短時間のパートで働こうと思っています。
今はパートでも厚生年金に入るようですが、
厚生年金に加入した場合、障害年金は打ち切りになったりするのでしょうか?
本回答は2018年9月現在のものです。
ご質問者様の場合、
厚生年金に加入したことで直接打ち切りになることよりも、
腎移植を受け、体調が安定したことにより打ち切られる可能性が考えられます。
障害年金は、厚生年金に加入したことで直接支給停止になるものではなく、
障害の状態が、障害等級に該当しないと判断された場合に支給停止となります。
腎移植後の認定については以下の通りとなっています。
腎臓移植を受けた方の認定について
腎臓移植を受けた方の認定については、
術後の症状、治療経過、検査成績及び予後等を十分に考慮して総合的に認定されます。
また、障害年金を支給されているものが腎臓移植を受けた場合は、
臓器が生着し、安定的に機能するまでの間を考慮して
術後1年間は従前の等級とされます。
1年経過後は、更新の時点の検査成績等により審査されるため、
状態が安定し、認定基準に該当しないとされた場合は、支給停止となります。
腎疾患の認定基準は、以下の通りです。
腎疾患の認定基準
【1級】
- 以下1〜2を満たすもの
- 内因性クレアチニンクリアランスが10ml/分未満または、血清クレアチニンが8mg/dl以上
- 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
- 以下1〜2を満たすもの
- 内因性クレアチニンクリアランスが10ml/分以上20ml/分未満または、血清クレアチニンが5mg/dl以上8mg/dl未満
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
- 人工透析療法施行中のもの
【3級】
- 以下1〜2を満たすもの
- 内因性クレアチニンクリアランスが20ml/分以上30ml/分未満または、血清クレアチニンが3mg/dl以上5mg/dl未満
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
- 以下1〜3を満たすもの
- 尿蛋白量が3.5以上を持続する
- 血清アルブミンが3.0g/dl以下または血清総蛋白が6.0g/dl以下
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
更新の際は、上記の認定基準を参考にしてください。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
厚生年金に関するその他のQ&A
- 母の糖尿病が悪化したので、障害厚生年金2級が受給できるでしょうか?
- 母の糖尿病が悪化し、仕事を辞めることになったので、障害厚生年金の申請を検討しています。医師からは、視力もかなり落ちて就労不可能だから2級になると言ってもらいました。母の場合、障害厚生年金の申請になるそうなので、3級でも受給できるそうですが、年金額を比べると2級とはかなりの差があるので、2級の受給ができればと思っています。母は障害厚生年金2級が受給できるでしょうか?
- 障害年金を受給しているのに厚生年金も引かれていることは、よくあることなのでしょうか?
- 知人は重度の身体障害者で、障害年金2級を受給しているそうです。そして今は正社員として働き、おそらく給料から厚生年金が引かれていると思います。障害年金を受給しているのに厚生年金も引かれていることは、よくあることなのでしょうか?引かれた厚生年金はいつもらうのでしょうか?
- 結婚した場合は、私の障害厚生年金の受給額は変わりますか?
- 私は統合失調症の無職女です。障害厚生年金2級を受け取っています。結婚を考えている相手がいるのですが、彼には子供が3人います。一緒には暮らしていませんが、前の奥さんが引き取っているようです。今度私と結婚した場合は、私の障害厚生年金の受給額は変わりますか?
- 知人が多発性筋炎で障害厚生年金をもらっていますが、普通に生活しています。不正受給ではないですか?
- 私は多発性筋炎と診断されています。知人も同じ病気で障害厚生年金をもらっているようですが、正直、症状は私よりずっと軽く、普段は普通に歩いて生活しています。確かに仕事はしていませんが、車の運転もしてあちこち出かけたりしています。これは不正受給ではないのですか?このようなことを日本年金機構に情報提供することは可能ですか?
- 交通事故にあい、左足を負傷。仕事の効率が悪くなったのですが、障害厚生年金3級に当てはまりますか?
- 勤務中に交通事故にあい左足を骨折しました。手術とリハビリでようやく職場に復帰することができましたが、まだ足を引きずる感じはあります。同僚から障害年金というのがあると聞き調べてみたのですが、障害厚生年金3級に当てはまるのではないかと思っています。走ったりジャンプすることができず、足を引きずりながら仕事をするので、以前よりも効率が悪くなりました。この状態は、労働に著しい制限を受けるものに当てはまりますか?