もやもや病で障害年金の申請を検討しているのですが、初診日はいつになるでしょうか。

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もやもや病で障害年金の申請を検討しているのですが、初診日はいつになるでしょうか。

中井智博
中井智博社会保険労務士
  • 詳しいプロフィール
公開日:

私は小学生の頃にもやもや病の診断を受け、手術をしました。

それからしばらくは状態は安定していたので、普通の生活をしていました。受診も年に1〜2回の経過観察でした。

30歳の時に脳出血で救急搬送され、左半身麻痺で車いすの生活になりました。

勤めていた会社も辞め、現在は無職です。

障害年金の申請を検討しているのですが、初診日は小学生の頃になって、20歳前の障害基礎年金の申請になるのでしょうか。

それとも30歳の時であれば厚生年金に加入していたので、障害厚生年金の申請ができるでしょうか。

ご質問者様の場合、小学生の頃にもやもや病と診断され、しばらくは経過観察を受けていたが30歳の時に脳出血を発症しているため、双方に相当因果関係があると判断される可能性が考えられます。

そのため、小学生の頃に初めて受診した日が初診日になる可能性が考えられます。

小学生の頃が初診日であれば、20歳前傷病の障害基礎年金の申請になるため、障害の状態が1級もしくは2級に該当する場合、受給が可能となります。

相当因果関係とは

前の疾病または負傷がなかったならば、後の疾病が起こらなかったであろうと認められる場合は、相当因果関係ありと見て前後の傷病を同一傷病として取り扱います。

 

初診日とは

障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。

具体的には次のような場合が初診日とされます。

  1. 初めて診療を受けた日(治療行為又は療養に関する指示があった日)
  2. 同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日
  3. 過去の傷病が治癒し同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診療を受けた日
  4. 傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日
  5. 障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日

※ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。

 

20歳前傷病の障害基礎年金とは

先天性の病気などにより20歳前から障害があり、初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。

等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。

 

肢体の機能障害の認定について

肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定されます。

 

半身まひの認定基準

【1級】

  • 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの…日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態

【2級】

  • 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの…日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」

【3級】

  • 一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの…日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」

 

※日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することはできませんが、おおむね次の通りとされています。

【手指の機能】

  • つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
  • 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
  • タオルを絞る(水を切れる程度)
  • ひもを結ぶ

【上肢の機能】

  • さじで食事をする
  • 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
  • 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
  • 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
  • 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
  • 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

【下肢の機能】

  • 片足で立つ
  • 歩く(屋内)
  • 歩く(屋外)
  • 立ち上がる
  • 階段を上る
  • 階段を下りる

 

ご質問者様の場合、現在は車いすの生活とのことですので、障害基礎年金が受給できる可能性が考えられます。

上記の認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。

 

(本回答は2022年6月現在のものです。)

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