生活保護を受けていますが、障害者年金を受けると、今より良いことはあるでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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てんかんの患者です。
生活保護を受けていますが、障害者年金を受けると、
今より良いことはあるでしょうか?
本回答は2017年6月時点のものです。
障害年金などの公的年金と生活保護は、
生活保障のための所得補償という点では似ているかもしれませんが、
全く異なる制度であり、その性質は大きく違います。
障害年金のメリットとしては、次のことが考えられます。
障害年金のメリット
- 直接の現金給付となるので、経済的な大きな援助
- 生活保護のような福祉・手当ではないので、資産などの制約は原則としてない
- 国民年金保険料が払えない場合は、免除制度を利用することが可能
- 20歳前に傷病を負った人の障害基礎年金は保険料の納付要件が問われない
- 原則として、どの人でも同じ条件のもと、一律で同じ保障を受けられる、等
障害年金の受給額(平成29年)
障害年金の受給額は平成29年現在、以下の通りとなっています。
- 障害基礎年金1級…年974,100円
- 障害基礎年金2級…年779,300円
- 障害厚生年金1級…年974,100円+報酬比例の年金額×1.25
- 障害厚生年金2級…年779,300円+報酬比例の年金額
- 障害厚生年金3級…報酬比例の年金額(最低保証額584,500円)
※障害基礎年金の受給権者に加算対象となる子がいる場合、子の加算を受けることができます。
※障害厚生年金1級、2級の受給権者に加算対象となる配偶者がいる場合、配偶者の加給年金を受けることができます。
生活保護については、資産や就労の可能性を調査されますが、
障害年金ではそのような調査はされません。
実際に就労をしながら年金を受給されている方もたくさんおられます。
単純に受給額だけを比較するのではなく、
それぞれの特徴を比較して検討されてはいかがでしょうか。
なお、障害年金と生活保護を二重に受給することはできませんので、ご注意ください。
生活保護と障害年金の関係
生活保護と障害年金の両方の受給権を得られた場合、
障害年金は満額支給され、生活保護費の方が調整を受けることとなります。
生活保護と障害年金は以下のような関係になります。
- 最低生活費>障害年金の場合、障害年金は満額、最低生活費は障害年金との差額分が支給されます。
- 最低生活費<障害年金の場合、障害年金は満額、最低生活費は支給されません。
てんかんでの障害年金の申請について
発症から長期間申請していない場合、初診日の特定と証明が困難となります。
また、てんかんは発作の頻度、重症度のみで障害の状態を認定されるものではないため、
障害等級に該当するか否かの判断、十分な申請書類の作成等に
申請には専門知識が必要となります。
そのため、関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
審査のチャンスは審査請求、再審査請求を含めて3回ありますが、
1度目に不支給となると再審査請求で支給が決定するのは14.7%となっています。
慎重にご準備ください。
申請の流れはこちらにて解説していますので、ご参考にしてください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
私は元厚生労働省の事務官ですので、
役所の論理・理屈を理解しており、これまで90%以上の確率で認定を得ています。
もし社労士への依頼を検討される場合は、こういった点も合わせてお考えください。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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