骨髄移植をしましたが自宅安静が続いています。障害年金を受給することは難しいでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
私は数年前に白血病になり骨髄移植をしました。
そして半年前に再発して2回目の移植をしましたが、下痢の症状がひどく口内炎もあります。
急性GVHDのようなのですが、自宅安静が続いています。
働くことができず両親の世話になっているのですが、障害年金を受給することは難しいでしょうか?
本回答は2021年5月現在のものです。
白血病等の白血球系・造血器腫瘍疾患については、具体的な検査数値や日常生活状況等から等級が例示されていますが、造血幹細胞移植を受けたものにかかる障害認定にあたっては、次について十分に考慮して総合的に認定する、とされています。
- 術後の症状
- 移植片対宿主病(GVHD)の有無およびその程度
- 治療経過
- 検査成績
- 予後、等
具体的な移植片対宿主病(GVHD)の症状や程度が例示されていないため、ご質問者様の状態が等級に当てはまる程度なのかは判断致しかねますが、働くことができず自宅安静が続いているとのことですので、検査成績や予後等によっては等級に該当する可能性は考えられます。
障害基礎年金の請求であれば2級以上に、障害厚生年金の請求であれば3級以上に該当すると判断された場合、受給できます。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、初診日(初めて病院を受診した日)に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
障害基礎年金と障害厚生年金の障害等級について
- 障害基礎年金…1級および2級
- 障害厚生年金…1級、2級および3級
※症状の重さによって等級が分けられています。
※3級が最も症状が軽く、2級、1級になるにつれて症状が重く、また受給額も多くなります。
なお、白血球系・造血器腫瘍疾患の認定基準は次の通りです。
白血球系・造血器腫瘍疾患(白血球、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫等)の認定基準
障害の程度
障害の状態
1級
A表1欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、B表1欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級
A表2欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があり、B表2欄に掲げるうち、いずれか1つ以上の所見があるもので、かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの
3級
A表3欄に掲げる所見があり、B表3欄に掲げる所見があるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
A表
区分
臨床所見
1
- 発熱、骨・関節痛、るい瘦、貧血、出血傾向、リンパ節腫脹、易感 染症、肝脾腫等の著しいもの
- 輸血をひんぱんに必要とするもの
- 治療に反応せず進行するもの
2
- 発熱、骨・関節痛、るい瘦、貧血、出血傾向、リンパ節腫脹、易感染症、肝脾腫等のあるもの
- 輸血を時々必要とするもの
- 継続的な治療が必要なもの
3
継続的ではないが治療が必要なもの
※A表に掲げる治療とは、疾病に対する治療であり、輸血などの主要な症状を軽減するための治療(対処療法)は含まない。
※A表に掲げる治療に伴う副作用による障害がある場合は、その程度に応じて、A表の区分を2以上とする(CTCAEのグレード2以上の程度を参考とする。)。
B表
区分
検査所見
1
- 末梢血液中のヘモグロビン濃度が7.0g/dl未満のもの
- 末梢血液中の血小板数が 2 万/μl未満のもの
- 末梢血液中の正常好中球数が 500/μl未満のもの
- 末梢血液中の正常リンパ球数が 300/μl未満のもの
2
- 末梢血液中のヘモグロビン濃度が7.0g/dl以上 9.0g/dl未満のもの
- 末梢血液中の血小板数が 2 万/μl以上 5 万/μl未満のもの
- 末梢血液中の正常好中球数が 500/μl以上 1,000/μl未満のもの
- 末梢血液中の正常リンパ球数が 300/μl以上 600/μl未満のもの
3
- 末梢血液中のヘモグロビン濃度が9.0g/dl以上10.0g/dl未満のもの
- 末梢血液中の血小板数が 5万/μl以上10万/μl未満のもの
- 末梢血液中の正常好中球数が 1,000/μl以上 2,000/μl未満のもの
- 末梢血液中の正常リンパ球数が 600/μl以上 1,000/μl未満のもの
一般状態区分表
区分
一般状態
ア
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
イ
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの。 例えば、軽い家事、事務など
ウ
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
エ
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
オ
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
また、慢性GVHDについては、日本造血細胞移植学会(ガイドライン委員会)において作成された「造血細胞移植ガイドライン」における慢性GVHDの臓器別スコア及び重症度分類を参考にして、認定時の具体的な日常生活状況を把握し、諸症状を総合的に認定する、とされています。
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
骨髄炎に関するその他のQ&A
- 骨髄移植をしましたが自宅安静が続いています。障害年金を受給することは難しいでしょうか?
- 私は数年前に白血病になり骨髄移植をしました。そして半年前に再発して2回目の移植をしましたが、下痢の症状がひどく口内炎もあります。急性GVHDのようなのですが、自宅安静が続いています。働くことができず両親の世話になっているのですが、障害年金を受給することは難しいでしょうか?