10代で特発性間質性肺炎と診断され30代で片肺移植を受けました。障害年金は受け取れますか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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私は10代で特発性間質性肺炎と診断されました。30代で片肺移植を受けました。
現在は在宅酸素は必要なく、数値も大きな問題はないため、
日常生活はほとんど問題なく過ごせていますが、
免疫抑制剤は今後生涯にわたって飲まなければいけません。
移植を受けるまでは働いていましたが、
感染症にかかることを避けるために、現在は無職です。
薬のせいか疲れやすく体調の変化も日々大きいので、外に仕事に出るのもためらわれます。
このような場合、障害年金を受け取ることはできるのでしょうか?
本回答は2018年8月現在のものです。
障害年金において、呼吸不全の場合は、以下の基準に従い審査が行われます。
呼吸器疾患の認定基準
【A表 動脈血ガス分析値】
区分
検査項目
単位
軽度異常
中等度異常
高度異常
1
動脈血O2分圧
Torr
70~61
60~56
55以下
2
動脈血CO2分圧
Torr
46~50
51~59
60以上
(注)病状判定に際しては、動脈血 O2分圧値を重視する。
【B表 予測肺活量1秒率】
検査項目
単位
軽度異常
中等度異常
高度異常
予測肺活量1秒率
%
40~31
30~21
20以下
【1級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が高度異常を示すもの
- 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が中等度異常を示すもの
- 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
【3級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が軽度異常を示すもの
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
なお、呼吸不全の障害の程度の判定は、A表の動脈血ガス分析値を優先するが、
その他の検査成績等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、
総合的に認定するとされています。
上記のように、呼吸不全による障害の程度は、検査成績や日常生活状況により審査されます。
そのため、ご質問者様のように、
数値に大きな問題はなく、日常生活はほとんど問題なく過ごせている場合は、
認定は厳しい可能性が考えられます。
なお、ご質問内容から、20歳前傷病の障害基礎年金の申請になることが拝察されます。
20歳前傷病の障害基礎年金の申請では、
2級以上に該当すると判断された場合、支給されます。
今後、状態が進行し、日常生活にも支障をきたす程度となった場合は、
申請を検討されてはいかがでしょうか。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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