間質性肺炎と糖尿病とうつ病です。障害基礎年金はもらえないでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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間質性肺炎です。
在宅酸素療法までいきませんが、手帳は3級相当だと言われました。
ステロイドによる糖尿病とうつ病を併発しているので、
仕事ができません。自営業なので収入がなく、生活が苦しいです。
こんな状態で、障害基礎年金はもらえないでしょうか?
本回答は2018年8月現在のものです。
複数の障害のため、仕事ができないとのことですので、
大変な思いをされていることが拝察されます。
障害認定の対象となる複数の障害がある場合、
併合により、さらに上位等級に認定されることがあります。
例えば、以下のような場合です。
- 2級+2級=1級
- 3級+3級+3級=2級
ご質問者様の場合、間質性肺炎と糖尿病とうつ病を患っているとのことですので、
それぞれが3級相当であれば、併合で2級とされる可能性が考えられます。
2級相当であれば、障害基礎年金の請求で認定が得られる可能性が考えられます。
下記にそれぞれの認定基準を記載いたしますので、
参考にしていただき、申請をご検討いただけると幸いです。
呼吸器疾患の認定基準
【A表 動脈血ガス分析値】
区分
検査項目
単位
軽度異常
中等度異常
高度異常
1
動脈血O2分圧
Torr
70~61
60~56
55以下
2
動脈血CO2分圧
Torr
46~50
51~59
60以上
(注)病状判定に際しては、動脈血 O2分圧値を重視する。
【B表 予測肺活量1秒率】
検査項目
単位
軽度異常
中等度異常
高度異常
予測肺活量1秒率
%
40~31
30~21
20以下
【1級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が高度異常を示すもの
- 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が中等度異常を示すもの
- 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
【3級】
以下2点を満たすもの
- 上記A表及びB表の検査成績が軽度異常を示すもの
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
なお、呼吸不全の障害の程度の判定は、A表の動脈血ガス分析値を優先するが、
その他の検査成績等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、
総合的に認定するとされています。
糖尿病の認定基準
以下のすべてを満たすものについて、3級に認定されます。
- 90日以上のインスリン治療を行っている
- Cペプチド値、重症低血糖、糖尿病ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群のいずれかが一定の程度
- 日常生活の制限が一定の程度
症状、検査成績および具体的な日常生活状況等によっては、
さらに上位等級に認定されることも考えられます。
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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