65歳の父は子供の頃に片目を事故で失明し、義眼です。今の年金と障害年金と両方受け取れるのでしょうか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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父は今65歳です。ずっと会社員をしていましたが、今は年金暮らしです。
子供の頃に片目を事故で失明し、義眼です。
しかし、障害者手帳は持っていません。
この場合申請すれば障害者手帳や障害年金は受け取れるのでしょうか?
もし受け取れる場合、今の年金と障害年金と両方受け取れるのでしょうか?
本回答は2017年10月時点のものです。
障害年金は原則として65歳の誕生日の2日前までに申請しなければなりません。
65歳以降でも申請できる場合は以下に限られます。
65歳以降でも障害年金を申請できる場合
- 初診日が、65歳の2日前までにあり、障害認定日の障害状態が障害等級に該当している場合
- 前発傷病と後発傷病を併せて、65歳前にはじめて2級となった場合
- 初診日において国民年金の任意加入者であった場合
- 初診日において厚生年金加入中であった場合
お父さまの場合、
子供の頃に片目を事故で失明したとありますので、
20歳前に初診日があることが推察されます。
初診日とは
初診日とは、障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
20歳前に初診日がある場合の障害認定日は、以下の通りです。
20歳前傷病の障害基礎年金の障害認定日
20歳前傷病の障害基礎年金の障害認定日は、
- 20歳の誕生日
- 請求する傷病の初診日から起算して1年6か月を経過した日
のいずれか遅い方となります。
お父さまは現在65歳とのことですので、
40年以上前のカルテ等が残っているかについてはわかりかねますが、
初診日の証明である「受診状況等証明書」が取得でき、
障害認定日時点の診断書が取得できれば、
障害基礎年金の請求は可能となります。
しかし、障害基礎年金の等級は1級および2級のみです。
障害年金の視力障害の認定基準は以下の通りとなっております。
視力障害の認定基準について
- 1級…両眼の視力の和が0.04以下のもの
- 2級…両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
- 3級…両眼の視力が0.1以下に減じたもの、または、障害手当金の程度であり症状固定していないもの
- 障害手当金…両眼の視力が0.6以下に減じたもの、または、一眼の視力が0.1以下に減じたもの
お父さまの場合、片目が失明しているとのことですので、
見える方の視力が0.1以下であっても、
上記の認定基準においては3級相当とされます。
障害基礎年金の請求で3級相当では不支給となります。
よって、お父さまが障害年金を受給することは難しいでしょう。
身体障害者手帳についてですが、
身体障害者福祉法で定められている5級、6級の状態は
以下の通りです。
【5級】
- 【視力】両眼の視力の和が0.13以上0.2以下のもの
- 【視野】両眼による視野の2分の1以上がかけているもの
【6級】
- 一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を超えるもの
この視力とは、眼鏡等を使って矯正して測定したものをいいます。
また、両眼の視力の和とは、左右の視力を別々に測った数値を足したものをいいます。
上記の基準に該当する程度であれば、
身体障害者手帳が交付される可能性も考えられます。
一度眼科の医師に相談されてはいかがでしょうか。
公的年金では、一人一年金が原則ですが、
特例として、2つ以上の年金が受けられることがあります。
その場合、同時に受給できる場合もありますし、
1つの年金を選択する場合でも、途中で選択替えをすることができます。
障害年金と老齢年金の両方の受給権を得られた場合の受給可能な組み合わせは、
以下の通りです。
障害年金と老齢年金の両方の受給権を得られた場合の組み合わせ
- 障害基礎年金+障害厚生年金
- 老齢基礎年金+老齢厚生年金
- 障害基礎年金+老齢厚生年金
の3通りとなり、上記の中から有利なものを選択することになります。
また、途中で選択替えをすることも可能です。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
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このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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