線維筋痛症ですが、障害年金の初診日が分かりません。

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
私は現在33歳の専業主婦です。10年くらい前から線維筋痛症と診断されています。
障害年金の申請を検討しているのですが、どこが初診日になるかわかりません。
最初は19歳の大学生の時で、体調に異変を感じていたのですが、かかりつけの内科では原因がわからず診断名は特定されませんでした。
心療内科を勧められて受診しましたが、自律神経失調症と診断され、当時はまだ線維筋痛症とは言われませんでした。
その後いくつか病院を受診しましたが、どこも診断名は確定せず、23歳の時にようやく線維筋痛症と診断されました。この時は社会人2年目で厚生年金でした。
この場合、初診日は23歳の時でいいのでしょうか?
23歳の時を初診日と主張して申請することは可能でしょう。
障害年金の初診日とは、初めて医師の診療を受けた日とされていますが、線維筋痛症については、発症直後に確定診断がされない事例がみられるため、初診日の特定が難しいというケースがよくあります。
そのため、線維筋痛症については、診断書などの書類から、申し立てた初診日と線維筋痛症の関連性があると判断された場合は、申し立てた日を初診日と認められる場合があります。
例えば、診断名は特定されていなくても、19歳の時から線維筋痛症の主症状である慢性疼痛の症状があり、身体の広範囲に及んでいたことが診断書等から明確であれば、19歳の時を初診日と主張して申請をすることは可能でしょう。
しかし、カルテには詳細な記載がなく、線維筋痛症との関連性がわからない場合は、19歳の時の受診が初診日と認められない可能性も考えられます。
このように、線維筋痛症の初診日については、提出された診断書等の書類から審査を行い、その結果、申し立てた初診日が、線維筋痛症に係る一連の診療のうち初めての診療であると認められる場合は、申し立てた日が初診日として認定されます。
ご質問者様も、23歳の時が初診日であると思われるのであれば、その日を初診日と主張して申請をされてはいかがでしょうか。
なお、線維筋痛症の認定基準は次の通りです。
線維筋痛症の認定基準について
【1級】
- 日常生活の用を弁することを不能ならしめる程度のもの、たとえば、全身の激しい痛みがひどく、食事、排泄など日常生活動作のすべてにおいて介助が必要となっており、常時車椅子を使用しているもの。また、繊維筋痛症の重症度分類試案ではステージ4もしくは5の評価であるもの。
【2級】
- 日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの、たとえば、全身に痛みが広がり、激しい痛みが持続しているため、日常生活動作のほとんどが一人でできてもやや不自由、又は一人でできるが非常に不自由で、日常生活に著しい支障が生じ、就労は全くできないもの。また、繊維筋痛症の重症度分類試案ではステージ3の評価であるもの。
【3級】
- 労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの、たとえば、腰や肩、一下肢に激しい痛みが出現しており、日常生活動作のほとんどが一人でできてもやや不自由な場合となっているもの。また、繊維筋痛症の重症度分類試案ではステージ2の評価であるもの。
線維筋痛症の重症度分類試案(厚生労働省研究班)
繊維筋痛症は、「線維筋痛症の重症度分類試案〈厚生労働省研究班)」により、ステージ1からステージ5に分類されています。
- ステージ1…米国リウマチ学会診断基準の18力所の圧痛点のうち11力所以上で痛みがあるが、日常生活に聾大な影響を及ぼさない。
- ステージ2…手足の指など末端部に痛みが広がり、不眠、不安感、うつ状態が続く。日常生活が困難。
- ステージ3…激しい痛みが持続し、爪や髪への刺激、温度・湿度変化など軽微な刺激で激しい痛みが全身に広がる。自力での生活は困難。
- ステージ4…痛みのため自力で体を動かせず、ほとんど寝たきりの状態に陥る。自分の体重による痛みで、長時間同じ姿勢で寝たり座ったりできない。
- ステージ5…激しい全身の痛みとともに、膀胱や直腸の障害、口の渇き、自の乾燥、尿路感染など全身に症状が出る。普通の日常生活は不可能。
(本回答は2021年11月現在のものです。)
障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。疑問などがございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
線維筋痛症に関するその他のQ&A
- 線維筋痛症の初診日がわからないのですが、障害年金の申請ではどのように進めていけばよいでしょうか。
- 私は17歳の頃から手足に痛みが出始め、近くの整形外科で検査を受けましたが異常なしの診断でした。その後もいくつかのクリニックを受診しましたが、どこも原因不明で、痛み止めや張り薬を処方されるだけで、医療費ばかりかさむため、数年間受診せず痛みに耐える時期もありました。30歳の時に障害福祉課の方から線維筋痛症という病名を言っていただき、専門医のいる病院でようやく確定診断を受けました。しかし確定診断を受けても病気が治るわけではなく、現在35歳で痛みがひどく、日常生活の動作が思うようにできず、歩行も杖なしではバランスを崩して転倒してしまいます。障害年金の申請を検討していますが、障害福祉課の方からは初診日がわからないので申請は難しいと言われてしまいました。私の場合、どのように申請を進めていけばよいでしょうか。
- 線維筋痛症で障害厚生年金の申請をしたいのですが、可能でしょうか。
- 私は25歳くらいの時から原因不明の体調不良があります。最初は眼の痛みでしたので眼科に行き、次に倦怠感がひどかったので精神科に行き、その後もいろいろ病院を受診しましたが、10年くらいは確定診断には至りませんでした。35歳の時に膠原病を疑われ、大学病院を紹介されてようやく線維筋痛症と診断されました。現在はパート勤めも困難で無職ですので、障害年金の申請を検討しています。私の場合、25歳の時が初診日となれば厚生年金に加入していたので障害厚生年金の申請ができるのですが、35歳の時には第3号でしたので障害基礎年金の申請になります。できれば障害厚生年金の申請をしたいのですが、可能でしょうか。
- 線維筋痛症で、5年前にうつ病と診断された時を初診日にして障害厚生年金の申請ができますか?
- 私は5年前にうつ病と診断され、当時は傷病手当金をいただきながら休職していました。しかし症状は悪化する一方で、会社は退職しました。その後もうつ症状に加えて全身の筋肉痛やこわばりなどがあったため、いろいろな病院で検査を受けて、2年前にようやく線維筋痛症と確定診断をされました。現在は線維筋痛症専門の整形外科と精神科にかかっています。線維筋痛症で障害年金を申請したいのですが、5年前にうつ病と診断された時を初診日にして障害厚生年金の申請ができますか?それとも2年前に確定診断された時が初診日になって、障害基礎年金の申請になりますか?
- うつ病と診断された時を初診日として障害厚生年金の申請をしたいのですが、可能でしょうか。
- 私は25歳の時にうつ病と診断され、精神科で投薬を受けていました。その1年後に膠原病の疑いがあると言われて専門の病院を受診し、線維筋痛症と診断されました。現在は主に線維筋痛症の治療を行っており、そちらの病院で抗うつ薬も処方していただいています。線維筋痛症で障害年金の申請を検討しているのですが、線維筋痛症と診断された時は会社を退職した後の国民年金期間でしたので、できればうつ病と診断された時を初診日として障害厚生年金の申請をしたいのですが、可能でしょうか?
- うつ病で障害基礎年金2級を受給していますが、線維筋痛症でももらえるのでしょうか。
- 私は18歳の時からうつ病で精神科を受診しており、20歳の時から障害基礎年金2級を受給しています。23歳くらいの時から全身に痛みが出るようになり、いくつか病院を転々として、1年がかりで線維筋痛症と診断されました。私はずっと働いたことがなく、国民年金も法定免除にしてもらっているのですが、線維筋痛症でも障害基礎年金がもらえるのでしょうか。