国民年金保険料を未払いにした場合、障害厚生年金も受給できなくなるのでしょうか?
- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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現在30代男性、うつ病で障害厚生年金3級を受給しています。
無職で収入がなく、国民年金保険料を払うことが難しくなっています。
今後未払いにした場合、老齢年金は受給できなくなるかもしれませんが、
障害厚生年金も受給できなくなるのでしょうか?
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本回答は2020年2月現在のものです。
今後の分の国民年金保険料を納めなかったとしても、障害厚生年金の支給には影響しません。
障害年金の保険料納付要件は、初診日までの期間について問われますが、初診日以降の期間については問われません。
そのため、初診日以降に未納期間が続いたとしても、支給に影響しません。
「保険料納付要件」とは
初診日の前日において以下の1または2を満たしている必要があります。
- 初診日の属する月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと
※20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。
障害厚生年金については、原則として次回更新時期までは支給されます。
未納であっても、次の更新まで支給されます。
更新の際に改めて障害の状態の審査を受け、障害の状態が等級に該当すると判断された場合は、引き続き支給されます。
更新の際に、保険料納付要件を改めて問われることはありません。
うつ病の認定基準
- 1級…高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
- 2級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたは頻繁に繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働に制限を受けるもの
なお、国民年金保険料を納めることは難しい場合は、申請免除もしくは納付猶予を利用することができます。
申請免除とは
国民年金の第1号被保険者本人、保険料連帯納付義務者である世帯主・配偶者のいずれもが、以下のいずれかに該当するときは、申請して承認を受ければ、保険料の全額または一部の納付義務が免除されます。
- 所得が低いとき
- 本人またはその世帯の人が生活保護の生活扶助以外の扶助を受けているとき
- 保険料の納付が著しく困難なとき等
※申請免除には全額免除と3/4免除、半額免除、1/4免除があります。
若年者納付猶予制度とは
20歳から50歳未満で、本人および配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合、保険料の納付が猶予されます。
国民年金保険料が免除となっている期間については、老齢基礎年金の額は2分の1を納付したものとして計算されます。
また、納付猶予になった期間は年金額には反映しませんが、年金の受給資格期間に算入されます。
保険料は未納のままにせず、必ず手続きを行いましょう。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
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◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
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平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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