障害厚生年金の併合認定について

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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障害厚生年金の併合認定についておしえてください。
障害厚生年金の支給金額は、級の数字が小さいほど高額になると思っていたのですが、
違うのでしょうか?
市役所の人に、
「先発が2級の障害厚生年金で後発が3級の障害厚生年金で、
前後の障害を合わせると1級に該当するときは2級の障害厚生年金の額が改定されて、
しかも3級の障害厚生年金は失権しないため、どちらかを選択しないといけない」
と言われたのですが…。
3級を選択するメリットなんてあるのですか??
本回答は2017年4月時点のものです。
障害厚生年金の等級は、障害の状態が重い方から1級、2級、3級となります。
各等級に該当する障害の程度は以下の通りです。
障害年金の各等級に該当する障害状態の基本
- 1級…日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 2級…日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
- 3級労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの、及び労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
障害年金の受給額は以下の通りです。
障害年金の受給額(平成28年)
障害年金の受給額は平成28年現在、以下の通りとなっています。
- 障害基礎年金1級…年975,100円
- 障害基礎年金2級…年780,100円
- 障害厚生年金1級…年975,100円+報酬比例の年金額×1.25
- 障害厚生年金2級…年780,100円+報酬比例の年金額
- 障害厚生年金3級…報酬比例の年金額(最低保証額585,100円)
※障害基礎年金の受給権者に加算対象となる子がいる場合、子の加算を受けることができます。
※障害厚生年金1級、2級の受給権者に加給対象となる配偶者がいる場合、配偶者の加給年金を受けることができます。
併合認定においては、まず、それぞれの障害について審査されます。
よって、年金の種類や障害認定日等が違うので、受給額もそれぞれ違ってきます。
特に障害厚生年金の場合は、障害認定日によって報酬比例の金額が異なるため、
障害基礎年金1級より障害厚生年金2級の方が有利な場合もあります。
そのため、有利な方を選択する必要があります。
ご質問者様の場合、併合で障害厚生年金1級が決定されたものと推察いたします。
おそらく3級ではなく1級を選択する方が有利でしょう。
ただし、3級の障害厚生年金は失権しないため、
今後、障害の状態が軽快して支給停止となった場合などは、
3級に選択替えをすることが可能です。
障害年金の更新について
実際の状態に変化はないにもかかわらず、
更新時の診断書提出により金額を減らされる、支給停止となることが、
見受けられます。
等級を維持することができるかどうかについての判断には専門知識が必要となります。
関連書籍をご購入の上、申請されることをお勧めします。
更新時に支給停止となった場合、審査請求、再審査請求をすることができますが、
1度目に支給停止になると再審査請求で決定が覆るのは14.7%となっています。
慎重に書類をご準備ください。
社労士への依頼も合わせてご検討ください
よりスムーズに等級を維持するために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
私は元厚生労働省の事務官ですので、
役所の論理・理屈を理解しており、これまで90%以上の確率で認定を得ています。
もし社労士への依頼を検討される場合は、こういった点も合わせてお考えください。
疑問などがございましたら、下記お問い合わせフォームからお気軽にご質問ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
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