坐骨神経痛とは「病名」ではなく、お尻から下肢にかけて現れる痛みやしびれなどの「症状」です。
坐骨神経痛の原因となる疾患として、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が考えられるでしょう。
仮に、腰部脊柱管狭窄症であり、下肢に障害があるような場合は、障害年金の認定の対象とされています。
以下では、どのような状態なら腰部脊柱管狭窄症で障害年金を受給できるかをみていきましょう。
どのような状態なら腰部脊柱管狭窄症で障害年金を受給できるか
障害年金では、ケガや病気の程度に応じて等級が設定されています。
▼障害基礎年金
1級と2級
▼障害厚生年金
1級、2級、3級
障害が重い順に、1級、2級、3級となります。
さらに、障害厚生年金は、初診日から5年以内にこれ以上は医療の効果が期待できない状態になった(傷病が回復して元気な状態という意味ではありません)ときに一時金で支給される障害手当金があります。
下肢障害の認定基準
|
障害の程度
|
障害の状態
|
|
1級
|
両下肢の用を全く廃したもの…両下肢の3大関節中それぞれ2関節以上の関節が全く用を廃したもの
|
|
2級
|
両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの、例えば、両下肢の3大関節中それぞれ1関節の他動可動域が、「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの
一下肢の用を全く廃したもの…一下肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が全く用を廃したもの
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
|
|
3級
※障害厚生年金のみ
|
一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
|
|
障害手当金
※障害厚生年金のみ
|
一下肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残すもの
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
|
※日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することはできませんが、おおむね次の通りとされています。
【下肢の機能】
- 片足で立つ
- 歩く(屋内)
- 歩く(屋外)
- 立ち上がる
- 階段を上る
- 階段を下りる
ただし、腰部脊柱管狭窄症の主たる症状が疼痛である場合、注意が必要です。
疼痛については以下のように取り扱われます。
疼痛について
疼痛は、原則として認定の対象となりません。
ただし、次の1~4等の場合は、発作の頻度、強さ、持続時間、疼痛の原因となる他覚所見等により、以下の通りに取り扱います。
- 四肢その他の神経の損傷によって生じる灼熱痛
- 脳神経及び脊髄神経の外傷その他の原因による神経痛
- 根性疼痛
- 悪性新生物に随伴する疼痛等
- 3級…軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のもの
- 障害手当金…一般的な労働能力は残存しているが、疼痛により時には労働に従事することができなくなり、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの
本事案の場合
関節可動域の制限や筋力の減少がないが下肢の機能に制限がある場合、その原因は疼痛によるものと判断されます。
腰部脊柱管狭窄症に伴う疼痛は上記の例外的疼痛にあたりませんので、障害年金の認定を得ることができません。
坐骨神経痛の場合、まずは病名を確認すること、疼痛だけでなく関節可動域の制限や筋力の減少がないかを確認する必要があるでしょう。
障害年金を受給するために
障害年金の審査は、「しんどい」、「お金に困っている」、「悲しい」等ではなく、あくまで認定基準に該当しているか否かを審査されます。
そのため、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。