3年前に劇症肝炎になりました。現在は安定しています。障害年金の申請はどのようにしたらいいですか?

- 詳しいプロフィール
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
-
私は3年前に体調不良から急に劇症肝炎となり、生体肝移植、再手術を経て、
ようやく仕事復帰にこぎつけました。
数値は安定していますが、引き続き通院は必要です。
最近になって障害年金のことを知ったのですが、
おそらく今の数値では受給は難しいと思うのですが、
1年半の時であれば通ると思います。
このような場合はどのように申請をしたらいいのでしょうか?
本回答は2018年8月現在のものです。
ご質問内容から、障害認定日から1年以上が経過していることが拝察されるため、
遡及請求になることが考えられます。
遡及請求とは
遡及請求とは、障害認定日に障害等級に該当しているが、
知らなかったなどの理由で、障害認定日から1年以上経過して請求するものです。
障害認定日から3か月以内の診断書を取得することができれば、
遡及請求を行うことができます。
障害認定日とは
障害認定日とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、原則として、
- 初診日から起算して1年6月を経過した日
- 傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)
のいずれか早い日となります。
初診日とは
初診日とは、障害の原因となった傷病について、
初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
なお、請求する日が、障害認定日より1年以上過ぎているときは、
請求手続き以前3ヶ月以内の症状がわかる診断書も併せて必要となります。
審査の結果、障害認定日の時点で等級に該当すると判断された場合、
認定日にさかのぼって障害年金が支給され、
現時点でも等級に該当すると判断された場合は、引き続き支給を受けることができますが、
現時点では等級に該当しないとされた場合は、今後の分については支給停止となります。
肝疾患の認定基準は以下の通りですので、
参考にしていただき、申請を検討されてはいかがでしょうか。
肝疾患の認定基準
【1級】
1,2を満たすもの
- 以下の検査成績及び臨床所見のうち高度異常を3つ以上示すもの又は高度異常を2つ及び中等度の異常を2つ以上示すもの
- 一身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
1,2を満たすもの
- 以下の検査成績及び臨床所見のうち中等度又は高度の異常を3つ以上示すもの
- 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
【3級】
1,2を満たすもの
- 以下の検査成績及び臨床所見のうち中等度又は高度の異常を2つ以上示すもの
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの、または軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの
○肝疾患での重症度判定の検査項目及び臨床所見並びに異常値の一部を示すと次のとおりである。
検査項目/臨床所見
基準値
中等度の異常
高度異常
血清総ビリルビン
(mg/dl)
0.3〜1.2
2.0 以上 3.0 以下
3.0 超
血清アルブミン
(g/d l)
(BCG 法)
4.2〜5.1
3.0 以上 3.5 以下
3.0 未満
血小板数
(万/μ l)
13〜35
5 以上 10 未満
5 未満
プロトロンビン
時間(PT)(%)
70 超〜130
40 以上 70 以下
40 未満
腹 水
―
腹水あり
難治性腹水あり
脳 症
―
【精神症状】
睡眠−覚醒リズムに逆転。
多幸気分ときに抑うつ状態。
だらしなく、気にとめない態度。
【参考事項】
あとで振り返ってみて判定できる。
【精神症状】
指南力(時、場所)障害、
物をとり違える(confusion)
異常行動
(例:お金をまく、 化粧品をゴミ箱に捨てるなど)
ときに傾眠状態(普通のよびかけで開眼し
会話が出来る)
無礼な言動があったりするが、他人の指示には従う態度を見せる。
【参考事項】
興奮状態がない。
尿便失禁がない。
羽ばたき振戦あり。
なお、障害の程度の判定に当たっては、前記の検査成績及び臨床所見によるほか、他覚所見、他の一般検査及び特殊検査の検査成績、治療及び病状の経過等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。
◎障害年金の申請について
ご自身で書類をしっかり準備したつもりが、症状に合った等級が認められないケースや、不支給となるケースが見受けられます。
このようなことを防ぐためには専門知識が必要となりますが、そうなると社労士に相談するか関連書籍を参照しなければなりません。
当サイトでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
◎社労士への依頼も合わせてご検討ください
審査を受ける機会は審査請求、再審査請求を含めて3回あります。
しかし、1度目の請求で認められない場合、2度目以降で決定が覆るのは、たった14.7%となっています。より確実に認定を得るために社労士に申請を代行依頼する方法があります。
こちらも合わせてご検討ください。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
お電話でも承ります
06-6429-6666
平日9:00~18:00
このQ&Aの回答者
- 2004年:厚生労働省入省
- 2008年:社労士資格を取得
- 2012年:西宮市の社労士事務所に就職
- 2015年:独立し、中井事務所を設立
劇症肝炎に関するその他のQ&A
- 3年前に劇症肝炎になりました。現在は安定しています。障害年金の申請はどのようにしたらいいですか?
- 私は3年前に体調不良から急に劇症肝炎となり、生体肝移植、再手術を経て、ようやく仕事復帰にこぎつけました。数値は安定していますが、引き続き通院は必要です。最近になって障害年金のことを知ったのですが、おそらく今の数値では受給は難しいと思うのですが、1年半の時であれば通ると思います。このような場合はどのように申請をしたらいいのでしょうか?